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<西澤潤一さん死去>「ミスター半導体」独創的な研究 世界に発信 92歳

21日に死去した元東北大総長の西澤氏=2006年11月

 半導体の世界的権威で、文化勲章、米国電気電子学会(IEEE)エジソンメダルなどを受賞した元東北大総長の西澤潤一(にしざわ・じゅんいち)氏が21日午前5時14分、仙台市内で死去した。92歳。仙台市出身。葬儀は近親者で行った。お別れの会を後日開催する予定。
 旧制二高、東北大工学部電気工学科卒。東北大電気通信研究所(通研)で半導体の研究を続け、1962年同教授。83年から3年、89年から1年の計4年間通研所長を務めた後、90年11月に第17代東北大総長に就任、2期6年務めた。
 研究者としては「ミスター半導体」「光通信の開拓者」の異名を持ち、半導体材料の完全結晶技術の開発や光通信に必要な3要素の発案など、独創的な研究成果を世界に発信した。その研究・開発が産業界の発展に貢献したとして、第35回河北文化賞を受賞した。
 主な発明、開発は、新幹線システムにも用いられている整流器のPINダイオードや静電誘導トランジスタ、半導体材料の完全結晶育成法、高輝度発光ダイオード、光ファイバーなど。数々の業績をたたえIEEEは2002年、西澤氏の名を冠した「ニシザワメダル」を創設した。
 東北大総長の任期中は強い指導力で改革を推進した。「研究第一主義」の復権を目指し、専門教育の早期開始と充実を図るため教養部を廃止。青葉山新キャンパスの移転構想を進めたほか、学部横断的な研究の強化にも乗り出し、国際文化研究科や情報科学研究科など学部を持たない独立研究科を設立した。
 総長退官後も幅広い分野で活躍した。政府の諮問機関の委員を務め、教育問題などで積極的に提言。98年から岩手県立大、05年からは首都大学東京の初代学長をそれぞれ歴任した。
 主な受賞歴は日本学士院賞(74年)、紫綬褒章(75年)、文化功労者(83年)、ジャック・A・モートン賞(同)、河北文化賞(86年)、本田賞(同)、文化勲章(89年)、IOCGローディス賞(同)、IEEEエジソンメダル(00年)、勲一等瑞宝章(02年)。
 84年に仙台市名誉市民、90年に宮城県名誉県民となった。


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2018年10月27日土曜日


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