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<杜の都のチャレン人>いつか古里で勇姿を

同じく昨年デビューした愛海(まなみ)選手(下)を相手に、キャメルクラッチ(馬乗り固め)の練習をする佐藤さん

◎プロレスラーと学業の両立に励む 佐藤亜海さん(20)

 日中は専門学校で作業療法士を目指して学業に集中し、夜はプロレスラーとして道場で心身を厳しく鍛える。「見る人を元気づけられるような闘いができる選手になるのが目標。医療福祉分野で人の役に立てる資格も取得したい」
 仙台市が拠点の団体「センダイガールズプロレスリング」(仙女)に所属する。昨年9月のデビュー戦以降、コンスタントに試合出場を続けて経験を積んでいる。今は、来年度の国家試験合格と専門学校卒業も常に念頭に置く。
 2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた気仙沼市出身。大谷海岸の近くで父親が経営していた理髪店は流され、自宅も浸水した。
 プロレスとの出合いは、それから2年後の中学2年の秋。地元で開かれた男子プロレスのチャリティー興行を見て、選手たちのパワーあふれる闘いぶりに、「こんな世界があったのか」と衝撃を受けた。宮城県内外へプロレス観戦に出掛けるようになる中で、仙女の選手に憧れを抱くようになった。
 進路に悩んだ高校2年の夏ごろ、里村明衣子代表(38)に手紙を出したことで、仙女とのつながりが生まれた。「プロレスラーになりたい思いと、親に強く反対されていることをつづりました」
 一方で、祖母が働いていた発達障害のある子どもが通う福祉施設でのボランティアを経験し、作業療法士の仕事にも関心を持った。
 昨年春、仙台市内の医療系専門学校に進学が決まったことをあらためて里村代表に伝えると、「両立できるよ」と背中を押してくれた。「父に学業をおろそかにしないと約束し、入門しました」
 学校では全身の筋肉の機能やマッサージの実技などを学ぶ。授業内容を意識しながら、選手として筋力増強に取り組む日々。いつか、古里で子どもたちに自分がリングに立つ姿を見せたい。そんなふうにふと考えることがある。(智)

[さとう・あみ]1998年気仙沼市生まれ。小学生の頃からサッカーを始め、気仙沼西高時代は女子サッカー部で活躍した。2017年4月に仙女入門。必殺技はローリングバックエルボー。趣味は詩を書くこと。仙台市青葉区在住。


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2018年10月27日土曜日


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