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住民語り部準備着々 気仙沼・階上の震災遺構来春公開 各地視察ノウハウ学ぶ

大川小を視察する階上地区の住民

 東日本大震災の津波で200人以上が犠牲になった宮城県気仙沼市階上地区の住民が、震災の語り部として活動する準備を進めている。地区内にあった気仙沼向洋高旧校舎が来春、市の震災遺構として公開されることを見据えた。各地の語り部からノウハウを学ぶ住民らは、「体験を基に震災の記憶と教訓を伝えたい」と強調する。
 準備に励むのは、「階上地区まちづくり協議会」の「語り部部会」のメンバー約20人。部会は旧校舎と隣接する震災伝承館が来春開館するため、来館者に津波の脅威などを伝えようと今年3月に発足した。
 メンバーには津波で家族を亡くした人もいる。語り部の在り方を議論したり、必要な資料などを収集したりしてきた。宮城県南三陸町の語り部や気仙沼向洋高に震災当時在籍した教諭らを招いて話も聞いた。
 初めての視察研修会を21日、石巻市で開いた。「石巻観光ボランティア協会」の語り部と共に、約3時間かけてバスで市内を巡回。津波で児童と教職員計84人が犠牲になった大川小、日和山公園を訪ねた。バスの中では、語り部をする上で注意する点などの説明を受けた。
 津波で父萬(よろず)さん=当時(80)=を亡くした気仙沼市長磯森の主婦小野寺敬子さん(57)は「語り部によって表現の仕方は違うと思う。経験をいかに分かりやすく伝えられるかを探っていきたい」と語った。
 部会は9月、「気仙沼観光コンベンション協会」や一般社団法人「気仙沼復興協会」などと、「けせんぬま震災伝承ネットワーク」を設立。各組織とも連携しながら、語り部の準備を進める方針だ。
 ネットワークの代表も務める部会の近藤公人会長(71)は「防災、減災のために津波の怖さや当時の衣食住での苦労を説明すると同時に、復興を目指す階上地区の魅力も広めていきたい」と話している。


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2018年10月28日日曜日


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