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<地上イージス>きょうから現地調査 住民にくすぶる疑問 防衛省説明に不満も

防衛省が開いた現地調査に関する住民説明会。質疑では会場から厳しい意見が相次いだ=22日夜、秋田市

 地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入を進める防衛省は29日、候補地である秋田市の陸上自衛隊新屋演習場で現地調査を始める。同省は6月に調査実施の意向を示してから、配備を巡っては安全面で適切な対策を講じるなどと繰り返し説明してきた。しかし、地元側の「なぜ住宅地の近くに配備するのか」というそもそもの疑問はまだ解消されていない。

 「1平方センチ当たり1ミリワットを超えてはならないとする国の電波防護指針に自衛隊施設も拘束される」「レーダーの敷地外の電波レベルは極めて低い」
 秋田市で22日夜にあった住民説明会で、電磁界情報センター(東京)の大久保千代次所長が電磁波が人体に及ぼす影響や指針内容を出席者約90人に説明した。
 イージス・アショアは飛来する弾道ミサイルを地上のレーダーで追尾し、大気圏外で迎撃する。新屋演習場の周辺には住宅地があるため、住民の間にはレーダーが発する電磁波の影響への懸念が強い。
 「演習場と数百メートルしか離れていない」との出席者の指摘に、大久保氏は「指針に基づいて運用されるのなら安全だと理解するしかない」と答えるにとどめた。
 基地が攻撃の対象になってしまうのではないかという不安も強い。説明会で同省の伊藤茂樹東北防衛局長が「皆さんを守るための施設」と強調しても、出席者は最新の迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の命中率が約3割にすぎないとして納得せず「地質(や電波環境)調査だけで判断するのはとんでもない」と憤った。
 同省は年度内にまとめる現地調査の結果を基に適地かどうかを判断する。同省はこれと並行して、所管外の国有地にも配備適地がないかどうか調べる方針を表明した。
 穂積志市長はかねて、同省の所管外の国有地や民有地を含め適地を探すよう要請していた。
 しかし、19日に市役所を訪れた深沢雅貴大臣官房審議官は「他の国有地の検討は新屋演習場が不適になった場合に備えてであり、不適とならない限り先には進まない」と説明。「電波環境などを調査するわけではない。(検討段階で)演習場より適地だとの判断にはならない」と続けた。
 同省は民有地については調査しない考え。穂積市長は「われわれは、もう一度適地を探すよう要望してきた。趣旨が違う」と不満をにじませた。


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2018年10月29日月曜日


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