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<福島知事選>内堀氏再選 復興施策継続訴え大差

当選確実の知らせを受け、万歳して再選を喜ぶ内堀氏(中央)=28日午後8時5分ごろ、福島市の事務所

 任期満了に伴う福島県知事選は28日投票が行われ、即日開票の結果、無所属現職の内堀雅雄氏(54)が、共産党県委員長の町田和史氏(42)=共産推薦=ら無所属新人3人を大差で破り、再選を果たした。
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向け、選挙戦は「継続」か「刷新」かで争われたが、現職以外の立候補表明が告示直前と遅く、政策論争は深まらなかった。投票率は45.04%で、前回(2014年)を0.81ポイント下回った。
 内堀氏は前回と同様、政党からの推薦を受けずに「県民党」を掲げて選挙戦を展開。自民や国民民主、公明、社民など各党は支援という形で側面的な応援にとどめた。県町村会など約800団体の推薦も得て、序盤から他候補に大きく水をあけた。
 浜通りに新産業を集積させる福島イノベーション・コースト構想などの1期目の実績を強調。県政の継続による人口減対策や原発事故からの復興の推進などを訴え、幅広い世代から支持を集めた。
 再選を決めた内堀氏は「全身全霊を懸けて福島の復興・創生に真っ正面から取り組み、成果を出していく」と語った。
 町田氏は「現県政は県民の立場で国や東電に物が言えない」と訴え、県政刷新を掲げたが、共産党以外の支持の広がりを欠いた。立候補表明が告示10日前と出遅れたのも響いた。
 会社経営の高橋翔氏(30)は起業家への補助金制度創設などを訴えたが、浸透しなかった。自然塾代表の金山屯氏(78)は県庁の郡山市移転などを公約に掲げたが、伸び悩んだ。
 当日の有権者は159万9818人。

◎帰還・自立、問われる成果

 【解説】福島県知事選は内堀雅雄氏(54)が大差で再選を果たした。1期目の4年間で示した安定した政治手腕が評価された格好だが、政策論争は終始低調で有権者の関心は十分に高まらなかった。2期目に入る内堀県政には、選挙戦で掲げた「復興創生」の進展へ、具体的な成果が求められる。
 前哨戦から内堀氏の盤石さが際立った。政党や団体からの要請が出尽くした後の県議会6月定例会冒頭で再選立候補を表明した。
 直前には東京電力が福島第2原発の廃炉方針を明らかにし、1期目の公約だった県内原発の全基廃炉が実現する見通しとなった。脱原発を訴える共産党の動きは封じられ、事実上の「信任投票」の舞台が整った。
 内堀氏ペースで進んだ前哨戦は、東電福島第1原発事故などからの復興に向けた議論の機会を減らすことになった。内堀氏が公約を発表したのは告示の1週間前。新たな4年間の在り方を巡る県民議論は巻き起こらなかった。
 公約の中身も具体性を欠いた。内堀氏が掲げる「人口減対策」や「復興創生」は総花的な印象で、プロセスや数値目標までは示さなかった。原発事故でたまり続ける放射性物質トリチウムを含む水の処分方法や、放射線監視装置(モニタリングポスト)の撤去問題など、賛否が真っ二つに割れそうな問題には踏み込まなかった。
 次の4年は懸案事項がめじろ押しだ。国の復興・創生期間は2020年度で終了し、原発事故避難者の帰還や自立も大きな課題になる。内堀氏には賛否が割れる問題にも果敢に向き合う指導力と決断力が求められる。(福島総局・阿部真紀、柴崎吉敬)

◎福島県知事選開票結果
(選管最終)
当  650,982 内堀 雅雄 無現
    35,029 町田 和史 無新
    17,159 高橋  翔 無新
    10,259 金山  屯 無新

[うちぼり・まさお]長野市出身。東大経済学部卒。1986年旧自治省入省。2001年福島県生活環境部次長。生活環境部長、企画調整部長、副知事を経て14年知事選で初当選。54歳。当2。


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2018年10月29日月曜日


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