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<トヨタ東日本>宮城大和工場が東北の拠点化 幅広い種類を製造、広く部品供給

のなか・としゆき 東大卒。1984年トヨタ自動車入社。人事部長、トヨタ自動車東日本執行役員などを経て2017年4月から常務執行役員兼宮城大和工場長。57歳。福岡市出身。
エンジンを生産する宮城大和工場

◎トヨタ東日本宮城大和工場20年/野中敏行工場長に聞く

 トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)の宮城大和工場(同県大和町)が今年、稼働20年を迎えた。当初はトヨタ自動車東北の電子部品工場としてスタート。現在はエンジンなど基幹部品を生産し、トヨタグループの工場に供給している。野中敏行工場長に歩みや事業展望を聞いた。
(聞き手は報道部・高橋公彦)

<エンジンも生産>
 −宮城進出の理由は。
 「トヨタ自動車の工場が愛知県の三河地方に一極集中しており、リスク回避が目的だった。操業開始当時の従業員は約100人で、ブレーキを制御するアンチロックブレーキシステム(ABS)など足回り中心の電子部品を製造し、三河地方などの工場に出荷した」
 「その後、当時の関東自動車工業岩手工場(岩手県金ケ崎町)、セントラル自動車宮城工場(宮城県大衡村)にも部品を供給するようになった。東北で生産される車両への部品供給拠点という位置付けが加わった」

 −トヨタ自動車東北と関東自動車、セントラルが統合してトヨタ自動車東日本が誕生した後、エンジン生産も始めた。
 「エンジンも含めたユニット部品と車両の工場がそろい、東北に本格的な自動車生産拠点ができた。現在は『走る』『曲がる』『止まる』といった基本性能をつかさどるユニット部品を生産する。グループ内の工場は同種の部品を生産するのが一般的で、幅広い種類を製造するのは珍しい」
 「年間の部品生産数は約380万個で、操業当初と比べて約10倍に増加した。従業員も約7倍になった。部品の供給先は社内と社外が半分ずつ。高級車の『レクサス』やスポーツタイプ多目的車『ランドクルーザー』にも使われている」

<人材育成が鍵に>
 −取り扱う製品はどう変わったか。
 「ABSは急ブレーキでタイヤがロックするのを電子制御する機構であり、現在の電子制御ブレーキシステム(ECB)はABS機能に加え、走行中に4輪独立にブレーキの油圧を制御し、走行安定性を向上させる機能なども付与されている。製品が急速に複雑化している」

 −自動車業界では電気自動車化への対応など課題もある。今後の事業方針は。
 「人材育成が鍵だ。溶接、切削、研磨などほとんどの加工ができて、組み付けもできる。技術力はこの20年で、生産ラインを独力で設けられるほどのレベルになりつつある。技術力を上げれば、どんな部品にも対応できる。ユニット部品の競争力も高めて仕事を増やし、雇用を伸ばして地域に貢献したい」


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2018年10月30日火曜日


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