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宮城でドライバー不足、高齢化深刻 トラック業界黄信号

トラックに乗り込む運転手。人手不足が大きな課題だ=仙台市宮城野区

 宮城県内のトラック業界の人手不足が深刻だ。現場では定年を延ばしたり、新規の仕事を抑えたりするなど対応に苦慮する。業界の現状を改善しようと、県は東北で初めてとなる育成プログラム事業を始め、人材確保支援に乗り出した。
 仙台市宮城野区の運送会社ではトラック55台がフル回転する状態が続くが、運転手は約50人。大型免許を持つ事務や経理の従業員を運転に回し、しのぐ。
 運転手の平均年齢は51歳。10人は60歳を超え、20代はいない。3年前に定年を69歳まで延ばし、人材をつなぎ留めている。同社の社長は「高齢ドライバーには事故の不安もあるが、若い応募者が来ないので仕方ない」とため息をつく。
 「今の仕事を維持するだけで手いっぱい」と話すのは同区にある別の運送会社の物流センター所長だ。「新しい仕事を取りたくても人が足りず、給料の底上げも難しい」と構造的な課題を指摘した。
 県によると、県内の自動車運転業務(タクシー、バスを含む)の8月の有効求人倍率は2.79倍。同月の全職種平均1.66倍を超え、企業の求人数が求職者数を大きく上回る状況が続いている。
 県トラック協会の長南淳常務理事は、職場環境の改善が進んでいるにもかかわらず業界のイメージが変わらない現状に肩を落とす。「きつい、危険などの印象が拭えず、人が集まらない」とこぼした。
 人手不足による物流の滞りは東日本大震災からの復興を目指す地域経済にも影響しかねないとして、県は運転手確保に向けたプログラムを設定した。受講者は11月中旬からの3カ月間で、大型トラックなどの運転免許取得のほか、顧客対応や物流業界の専門用語などを学ぶ。
 20人の確保を目標に掲げるが、今月19日に宮城野区で開いた事業説明会の参加者はわずか3人だった。県は「ここまで少ないのは想定外だった。少しでも興味があれば連絡してほしい」(商工金融課)と呼び掛ける。説明会は30日に名取市でも開く。


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2018年10月30日火曜日


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