秋田のニュース

わが子失った悲しみ癒やせれば 秋田の団体が流産・死産の赤ちゃん用ひつぎ販売へ

ひつぎの試作品を見つめる小田嶋さん。木目を生かした柔らかな印象を重視した=29日、秋田市

 秋田市の子育てサークル「ここはぐ」が、流産や死産した赤ちゃん用のひつぎを製作し、2019年度の販売を目指している。流産経験者向けの交流会で必要性を実感し、助産師と構想を練ってきた。産声が聞けなかったわが子を思う親たちに、そっと寄り添いたいと願う。
 ひつぎは亡くなった赤ちゃんの大きさに合わせて3タイプを用意。秋田杉と秋田産のキリを使い、角を丸くして柔らかな手触りに仕上げ、小さな布団を添える。製作は、ここはぐの取り組みに賛同する湯沢市の製材・木工品製造販売業者が担う。
 流産や死産した赤ちゃん用のひつぎは葬祭業者などが用意しているが、市民発は全国でも例がないという。
 ひつぎ製作のアイデアは、ここはぐ代表の小田嶋麻貴子さん(36)が13年から定期的に開いている流産経験者ら向けの交流会で浮かんだ。「病院で死産した子どもが菓子箱のような入れ物で保管された」「心が落ち着かないまま、葬儀の手続きを迫られた」。こうした報告が参加者から相次いだという。
 多忙のため細やかな心配りが難しい医療現場に思いをはせつつ、小田嶋さんは「子どもを失った悲しみに追い打ちを掛ける対応をする病院は少なくない」と残念がる。
 厚生労働省は妊娠12週以降に亡くなった赤ちゃんの出産を死産と定義。16年は全国で2万934件あり、出生数97万6978件と比較すると、約50人に1人の割合になる。
 ここはぐは、専用ひつぎのニーズは相当数あるとみて、今後、葬祭業者や病院などと協議を重ねながら浸透を図る考えだ。
 小田嶋さん自身も流産を経験した。「赤ちゃんを失った悲しみは癒えないけれど、きれいな姿で子どもを送り出すことで、親たちが自分の心と向き合うきっかけになればうれしい」と話す。


関連ページ: 秋田 社会

2018年10月31日水曜日


先頭に戻る