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<福島知事選>民意を背に地方発信を/立命館大・開沼博准教授に聞く

開沼 博さん

 現職の内堀雅雄氏(54)が再選を果たした福島県知事選を専門家はどう見るか。いわき市出身で立命館大准教授の開沼博さん(34)=社会学=に聞いた。

 −内堀氏が圧倒的な票を得た。
 「有権者が東日本大震災からの復興を実感し、内堀氏に失点がなかったことが大きい。与野党相乗りの支援も、多様な意見をくみ取って政治行政を行える調整力の高さを有権者に認識させることにつながった」
 「他候補が局所的な訴えに終始し、県政運営を担える力があるのか疑問視された部分もある。有権者が求めていたのは政治より生活。その意味で人口減少や産業づくりといった内堀氏の主張は隙がなかった」

 −投票率は45.04%で過去2番目に低い。
 「知事選で何を問うのかというアジェンダ(政策課題)が有権者にとって不明確だった。議会を含めて県政の秩序が安定し、さまざまな論争が起きにくかったことも低投票率の一因だ」

 −低調な政策論争は政党側にも責任があるのでは。
 「東京電力福島第1原発事故で、福島には放射線や避難の問題などで線が引かれた。政治は(住民を分断した)線を消すことに努めてきたが、まだ残っている。政党は知事選を機に問題を明確にして発信する必要があったが、役割を果たしていなかった」

 −2期目の内堀県政に期待することは。
 「かつての改革派知事は中央と地方の葛藤を住民に近い立場から訴えてきた。内堀氏には91%という圧倒的な支持を背景に、福島にとどまらず、地方自治という普遍的な問題でも積極的に発信してほしい」
 「震災後、(国からの)助成金を各地に再分配して住民の満足度を高めるシステムが出来上がったが、本来、そうした昭和的システムはもう終わっている。金や物でない形で各地のコミュニティーを活性化させる物語を示してもらいたい」


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2018年10月31日水曜日


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