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「宿泊税」巡り賛否 沿岸部施設が懸念の声

 観光施策の財源確保策を探ろうと、31日に議論を始めた宮城県の観光振興財源検討会議。県が導入を視野に入れる「宿泊税」を巡っては、東日本大震災で被災した沿岸部の宿泊施設などから「客足が遠のく」と懸念の声が上がる。導入を評価する意見もあり、賛否が交錯している。
 沿岸部で旅館を営む男性(80)は経営の先行きを不安視する。ボランティア受け入れなど復興需要に支えられ、2012年に震災前の3倍に達した宿泊客数は現在、震災前を下回る。「震災後最低の状況。宿泊税が導入されれば、拍車が掛かる」と悲鳴を上げる。
 宮城県を訪れる観光客数の3割以上を占める仙台市。市観光課は宿泊施設関係者から税導入に否定的な声が上がっているとして「検討会議が(導入の方向で)進めば、県に慎重な議論を申し入れる可能性は十分にある」とけん制する。
 県の18年度一般会計当初予算に計上された観光関連事業費23億7600万円のうち、約7割の16億4100万円は国の交付金が占める。「東北観光復興対策交付金」などの財政措置は先細りする可能性が高い。
 17年に過去最多の6230万人を記録した観光客数をさらに伸ばすため、「地域に還元されれば、プラスになる。税で客が大幅に減るとは思わない」(仙台市内の旅館経営者)と一定の評価をする声もある。
 村井嘉浩知事は「(検討会議は)宿泊税ありきではない」と重ねて強調。「復興対策交付金はいずれ間違いなくなくなる。復興途上であり、観光客の増加に向けてもう一踏ん張りするため、財源が必要だ」と話している。


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2018年11月01日木曜日


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