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<仮設商店街>気仙沼、最後の4ヵ所が退去期限 店主、感謝の陰に不安

退去期限を迎えた仮設商店街からの引っ越し作業に追われる人たち=31日午後2時ごろ、宮城県気仙沼市田中前

 宮城県気仙沼市内に残っていた四つの仮設商店街が31日、退去期限を迎えた。東日本大震災後、市内10カ所に整備された仮設商店街は全て無くなる。退去後の移転先が見つからない商店主らも多く、市は今後、個別の対応を続けていく方針だ。

 退去期限を迎えたのは田谷の「福幸小町田谷通り」、田中前の「福幸小町田中通り」、南が丘の「福幸小町南が丘通り」、本吉町の「復幸サンライズ」。2011年11月25日〜12月6日に建てられ、ラーメン店やスナック、居酒屋などが入った。
 各商店街の事業者は既に営業を終了。退去期限の31日は、商店主らが店内にあった備品の片付けなどに追われた。
 「田中通り」で居酒屋を経営し、神山地区で再開する熊谷恵さん(45)は「畳を千葉から届けてくれたり、復興工事の人が気仙沼を離れても来てくれたり。ここでの出会いは一生もの。感謝にこみ上げるものがある」と話した。
 仮設商店街は中小企業基盤整備機構が整備。無償譲渡された市が管理し、業者に無償で貸し出した。市内には仮設商店街が10カ所設けられ、ピーク時には約150の事業者が入居した。
 機構が撤去費用を助成する時期が18年度末に迫り、市は最後まで残った四つの商店街の撤去期限を10月末に設定した。市商工課によると、四つの仮設商店街に10月末まで入居していた事業者は25店。うち退去後の移転先が未定(9店)と廃業(1店)が4割を占める。
 市内で被災し「田中通り」でスナックを営んでいた50代女性も移転先が決まっていない。女性は「別の場所での再開も考えたが、家賃が高くて難しかった。仮設商店街でなじみの新しい客も増えた。何とか続けたいが適当な場所が見つからない」と嘆く。
 震災後、全国的に有名になった「復興屋台村 気仙沼横丁」「南町紫市場」(いずれも17年5月撤去)の商店主の中には移転後、家賃の高騰や来店客数の伸び悩みなどが原因で赤字を計上する店もある。移転先での課題も多い。
 市商工課の担当者は「活用できる市独自の補助金を丁寧に説明するなどしながら、再建を目指す全ての事業者を後押ししたい」と話す。


2018年11月01日木曜日


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