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<仙台・高1自殺>県教委と学校、文科省指針適切運用せず 遺族に正式説明なし「認識不足だった」

県教委と学校の認識を説明する(右から)西尾校長、伊藤課長、松本教育次長

 仙台市青葉区の宮城工高1年の男子生徒(15)が8月に自殺した問題で、県教委と同校が文部科学省が定める自殺の背景調査に関する指針を適切に運用していなかったことが、31日分かった。学校側は指針が求める基本調査の経過を遺族に正式に説明せず、詳細調査への移行を判断する際に必要な遺族の意向確認も怠った。県教委は「認識不足があった」と釈明。遺族側は「隠蔽(いんぺい)体質だ」と不信感を募らせた。
 文科省の指針は、学校が子どもの自殺を把握した当日に基本調査を始め、1週間以内をめどに遺族に最初の経過説明をするよう求めている。県教委は基本調査の報告を受け、外部専門家らによる詳細調査に移行するかどうかを判断する。
 学校側は全教職員からの聞き取りなど基本調査の実施を強調した一方、西尾正人校長は「担任が遺族に会うたびに学校の状況を伝えていたつもりだったが、正式な場を設けては説明していなかった」と話した。
 指針は詳細調査が必要なケースとして(1)遺族の要望がある(2)いじめや体罰など学校生活に関係する要素が自殺の背景として疑われる−などを示している。
 学校が一部を除いて在校生に男子生徒の自殺を知らせていなかったため、県教委は「自死を前提とした(在校生への)調査は難しい」(松本文弘教育次長)と判断。男子生徒の自殺前に校内で実施したいじめに関するアンケートの結果を踏まえ、「今回はいじめが原因と特定できないケースで、学校に再調査を指示しなかった」(伊藤俊高校教育課長)という。
 県庁で記者会見した男子生徒の父親(44)は「意向確認などの連絡は一切なかった」と指摘。学校や県教委の初動対応の不十分さに不満をあらわにした。
 松本教育次長は「学校での指導を非常に苦にしていたと、遺族から初めて話を聞いた。今後、事実確認や第三者委員会の立ち上げを進めたい」と話した。学校は同日、全校集会を開き、男子生徒の自殺を伝えた。


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2018年11月01日木曜日


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