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「書くこと 人生に意味」 第1回仙台短編文学賞 東北学院大学賞 芽応マチさん(宮教大2年)

「書いていないと落ち着かない」と執筆欲が旺盛な芽応さん

 第2回仙台短編文学賞(実行委員会主催)の締め切りが15日に迫る。第1回の昨年度、学生対象の東北学院大学賞に選ばれたのが宮城教育大2年の芽応(めのう)マチさん(19)=筆名、仙台市=。プロの作家を目指して創作を続ける中「書くことは人生に意味を生む」と信念を語ってくれた。(聞き手は生活文化部・阿曽恵)

 受賞作「賽(さい)と落葉(らくよう)」は火山噴火の大災害を経験した過去を背負う放浪者と、全然関係ないもう一人の主人公との二つの物語が並行する構成です。もともと震災と文学を絡める発想はありませんでしたが、記憶としての震災をテーマに書く貴重な機会と思いました。
 震災時は小学6年。仙台市内の家は物がちょっと壊れた程度の被害でしたが、祖父の職場が海沿いにあって生々しい状況を聞いていました。「風化させない」と言うのは簡単ですが難しい。実は自分でもあまり思い出したくありません。
 「被災者」といっても一人一人違う人間。震災の一点でクロスしているだけで、他はみんな違う過去と未来を生きている。そこがわりと一般社会で無視されていて、いろんな立場があることを描きたかった。自分の居場所に疑問を感じている人が、大災害に際し何を考えるかを想像しました。
 本が好きで中学時代に恩田陸さんにはまり、今は梶井基次郎。ありふれた日常を文学的、詩的に捉える梶井の文章に影響を受けました。受賞作も見る人が見ればオマージュでしょう。
 仙台南高3年の時、宮城県高校文芸作品コンクールで短編が最優秀賞に選ばれました。今回は社会の一員となった自分の文学が、人の心に届くのかどうか不安があったので、受賞は本当に励みになりました。
 執筆自体は2晩くらいでした。道しるべとして1章につき2行程度のプロットを作ります。あとはそれをつないで書く。推敲(すいこう)は何日も繰り返します。書くより、プロット作りと推敲が作業のメインですね。
 これから文芸誌の新人賞に応募する予定です。小説を書くと人生の全てに意味が生まれるから素晴らしい。失敗も悲しいことも小説の題材になる。何をやっても大丈夫という自分への許しにもなる。文学は時代を超えて人の心を動かします。そんな作品を書けるようになりたいですね。

<メモ>仙台短編文学賞は仙台市の出版社、荒蝦夷とプレスアート、河北新報社でつくる実行委員会主催。原稿用紙25〜35枚程度。ジャンル不問で仙台、宮城、東北に関連する未発表作品が条件。大賞の他に市長賞、河北新報社賞、プレスアート賞、東北学院大学賞。大賞受賞作は河北新報、「Kappo仙台闊歩」(プレスアート)、「小説すばる」(集英社)に、東北学院大学賞は「震災学」(東北学院大発行・荒蝦夷発売)に掲載される。第1回受賞作は実行委ホームページで全文公開中。連絡先は実行委事務局022(266)0912。


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2018年11月01日木曜日


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