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人を笑顔にできる作品を 亘理出身・渡部さんフラワー装飾で技能五輪へ

大会に向け、練習に励む渡部さん

 那覇市で2日に始まる技能五輪大会フラワー装飾の部に、仙台市泉区の生花店で働く渡部桃華さん(20)が初出場する。東日本大震災の経験を糧に「震災で悲しい表情をたくさん見た。一人でも多くの人を笑顔にできる作品を作りたい」と大舞台に挑む。
 大会に向け、渡部さんは仕事を終えた後、店の作業場で練習に励んできた。種類の違う花を組み合わせたり、葉の形を変えたりして試行錯誤を繰り返す。練習は深夜に及ぶこともあったが、「埋もれない作品を作りたい」と負けん気をのぞかせた。
 花に興味を持ったのは5歳のころ。宮城県亘理町の実家で同居していた祖母のガーデニングを手伝い、草花の名前や育て方を自然に覚えた。人を笑顔にし、暮らしを彩る花に魅力を感じるようになった。
 震災で祖母との思い出が詰まった家は津波で流された。避難所で過ごした被災当初は花と触れ合う心の余裕もなかったが、仮設住宅に移り、高校に進学して将来を考える中で、「花で人を笑顔にしたい」との原点を思い出した。
 高校卒業後はフラワー科のある専門学校に進学し、今年4月に生花店「フラワード」に就職した。堀江信彰社長は「普段の仕事も今まで以上に力が入っている。本番では繊細な表現力を発揮してほしい」と渡部さんの挑戦を見守る。
 大会では支給された花材で、課題の「花束」「フラワーディスプレー」などのデザインを考え、制作し、芸術性を競う。支えてくれた家族や上司への感謝を胸に、「結果にこだわらず、自分の力を出し切りたい」と力を込める。


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2018年11月02日金曜日


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