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高級食器・輪花椀が出土 状態良好、国司クラス使用? 多賀城跡調査あす説明会

高級官人が使ったとみられる緑釉陶器の輪花椀

 宮城県多賀城市の国指定特別史跡多賀城跡を調査している県多賀城跡調査所は1日、本年度の主な調査結果を公表した。第1期(創建期)の外郭南門跡から西へ300メートルにある五万崎地区から、国司クラスが使ったとみられる高級食器の緑釉(りょくゆう)陶器の輪花椀(りんかわん)が出土した。これまで出土した陶器の中で最も残存状態が良く、律令国家における陸奥国府多賀城の重要性や、実務官衙(かんが)だった五万崎地区の格式の高さを示すという。
 輪花椀は口径21.2センチ、底径9.9センチ、高さ6.5センチの大型品。内面にハスの花4輪が丁寧に線刻され、縁には花びらを表すための切り込みがある。9世紀前半に尾張国(現愛知県)で生産されたとみられる。
 写実的な装飾性から高級官人が所持した可能性が高く、平安京の冷泉院(上皇の御所の一つ)などで出土した食器と同格のものという。生田和宏副主任研究員は「49年間の調査の中で破片は出土したが、これほど残存部分が多いのは初めて。装飾性は全国でも十指に入る」と言う。
 一方、外郭南門跡から西側への外郭施設の延長については確認できず、今回の調査地点より北側を通る可能性が高まった。五万崎地区は、丘陵地の斜面をたびたび盛り土して掘柱建物を造ってきた土地利用方法と変遷が分かった。
 研究所は3日午前10時半から現地説明会を開く。連絡先は研究所022(368)0102。


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2018年11月02日金曜日


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