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農産物検査法見直しを 秋田7議会で請願・陳情採択 着色コメ混入基準にも言及、カメムシ防除薬抑制へ

カメムシ被害が主要因とされる着色粒。混入限度が厳しく定められている

 秋田県の市町村議会で、国の農産物検査法の見直しを求める請願・陳情を採択する動きが広がっている。10月末現在、全25市町村議会のうち論旨採択を含めて7議会が採択した。国に提出した意見書でコメの着色粒の混入基準見直しにも言及している。着色粒の見直しは、被害をもたらすカメムシ防除に使うネオニコチノイド系農薬の散布量抑制につながるため、コメ消費地も関心を示す。
 「夏に水稲で散布される殺虫剤のほとんどは、農産物検査法の1等米基準を満たすためのカメムシ退治用だ」「(同法は)時代の変化に即した見直しが行われておらず、農薬の多用が促されている」
 秋田県大潟村議会が今年3月、法の抜本的な見直しを求める意見書を国に提出した。
 農産物検査法は1951年、食糧管理法の下で制定された。現在のコメの検査規格では、着色粒の混入限度は1等米0.1%、2等米0.3%。これに対し、異物の混入限度は1等米0.2%、2等米0.4%。異物よりも着色粒の基準が厳しく設定されている。
 2000年にカメムシ類が植物防疫法が定める指定有害動植物に指定されたことで、防除の徹底が進んだ。
 一方でネオニコ系農薬は、ミツバチの大量死の原因だとの指摘が上がる。日本弁護士連合会(日弁連)は17年12月、一部のネオニコ系農薬の使用禁止と、コメの着色粒の基準廃止などを求める意見書を公表した。
 日弁連は、国内のミツバチ被害は水稲のカメムシ防除の時期に多く、防除に使った殺虫剤を浴びたことが被害原因である可能性が高いとした農水省の調査報告書を引用。ミツバチだけでなく生態系に悪影響を及ぼす恐れがあると指摘する。
 日弁連公害対策・環境保全委員会委員の中下裕子弁護士(東京)は「着色粒の基準を見直せば農薬の量を減らせる」と効果を説く。
 同様の趣旨の意見書は、今年7月に東京都小金井市議会も可決した。大潟村の農家でつくる「生き物共生農業を進める会」の今野茂樹代表(64)は「消費者が生産現場の実情に目を向けてくれた」と動きを歓迎する。
 今野さんは「着色粒は色彩選別機で除去できる。現行制度はコメの外観を重視しており、安全安心を担保するものではない。消費者ニーズに反している」と訴えている。

[ネオニコチノイド系農薬]ニコチンに似た物質を主成分とする農薬で、1990年代に開発された。欧州では一部の使用を規制する措置を取っている。


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2018年11月02日金曜日


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