宮城のニュース

<サン・ファン号>解体後の後継策、VR乗船体験を県検討 「4分の1新船」など複数案、近く正式決定

宮城県石巻市の宮城県慶長使節船ミュージアムにあるサン・ファン・バウティスタ号。船体は被災し、老朽化も進む

 宮城県石巻市の宮城県慶長使節船ミュージアムにあり、老朽化に伴う解体が決まっている復元船サン・ファン・バウティスタ号の後継策について、県が4分の1の大きさの新船製作など複数案を検討していることが2日、分かった。仮想現実(VR)技術を活用した復元船体験の取り組みなども盛り込まれている。8日に仙台市内である検討委員会で示し、近く正式決定する。
 検討委には「4分の1案」のほか、原寸大(全長約55メートル、幅約11メートル、高さ約48メートル)の復元船を造って展示する案なども示される見通し。
 効果的な誘客が望めることや将来的な維持管理費などを勘案し、「4分の1案」を軸に議論が進むとみられる。復元船のドックから海水を抜き取り、新たな空間でにぎわいの創出に取り組む構想も検討されている。
 解体する復元船の先頭部の竜の飾りや大砲など一部は、処分せずに展示する方針。これまで記録してきた写真や動画などを活用し、VR技術で現在の復元船への乗船を疑似体験できるコーナーの設置なども有力視されている。
 復元船の後継策について村井嘉浩知事は県議会9月定例会で「多くの人に足を運んでもらうにぎわいの拠点となるように取り組む」と、観光誘客を促進させる考えを示していた。
 復元船は1993年に完成。東日本大震災で被災し、震災後の強風でマストが折れるなどしたが、カナダから木材の寄贈を受けるなどして復旧し、2013年11月に一般公開を再開した。
 県は16年4月、老朽化に伴い、改修しても耐用年数が10年程度にとどまるとした報告書を公表。展示を慶長遣欧使節団帰国400年に当たる20年までとし、検討委で21年以降の在り方の議論を重ねていた。


関連ページ: 宮城 社会

2018年11月03日土曜日


先頭に戻る