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<宮城県南へウエルカム>事業者と住民巻き込んで 旅行研究機関に聞く

インバウンドの誘致対策を語る小宮さん(左)と松本さん

 訪日外国人旅行者(インバウンド)の誘致に向け、宮城県南部にはどのような課題があり、どう対応すべきか。リクルートライフスタイル(東京)の旅行研究機関じゃらんリサーチセンターの小宮隆嗣エリアプロデューサー(宮城、岩手両県担当)と松本百加里研究員(インバウンド担当)に方策を聞いた。(聞き手は大河原支局・柏葉竜)

◎インバウンド誘致は今 インタビュー

リクルートライフスタイル「じゃらんリサーチセンター」
エリアプロデューサー/小宮隆嗣氏
研究員/松本百加里氏

 −県南部のインバウンド誘致の現状は。
 小宮エリアプロデューサー(以下、小宮)「県内では外国人旅行者が比較的多く来ている地域だ。特に台湾、中国からが多い。丸森町の観光地域づくり推進法人宮城インバウンドDMOが実施するモニターツアーなどの成果が出ている」
 「県南部には宮城蔵王キツネ村(白石市)も蔵王山麓もある。宮城、山形両県が協力してインバウンドの誘致を目指す中、両県にまたがる蔵王は今後もポイントになる」
 松本研究員(以下、松本)「県南部は自然が豊かな所がいい。雪、紅葉、桜と四季に合わせたコンテンツが充実している」

<バス本数少ない>
 −交通面はどうか。
 小宮「利便性がまだまだ低い。東京から東北新幹線で白石蔵王駅に来る場合、やまびこ号に乗るため時間がかかる。仙台空港発のバスは本数が少ない。県北側の沿岸部などと比べ、県南部は仙台との距離が近い。バスさえ走れば、さらに有利になる」

 −宿泊の受け入れ態勢は十分か。
 小宮「蔵王や白石に集中しており、他地域は少ない。外国人が興味を持つ古民家や武家屋敷の宿泊施設としての再生が鍵になる。現金を持たない外国人旅行者も多く、現金がなくても支払いが可能な環境の整備も重要だ」
 松本「出身国によって需要が異なる。欧米系は寺に泊まったり、農泊をしたりと日本ならではの体験を求める。アジア系は旅館でゆっくり温泉に漬かりたい人が多い」

<細やかな戦略を>
 −自治体間の連携はうまくいっているか。
 小宮「市町長間の連携はしっかりできている。ただ、事業者、住民のレベルまで浸透していない。民間の声が行政に届かず、行政も民間の誰を巻き込めばいいか分かっていないように見える」
 「行政とDMO、事業者、住民で話し合い、役割分担をはっきりさせた方がいい。対策の漏れとダブりをなくすためだ」

 −外国人旅行者をさらに呼び込む上で重要なことは。
 松本「細やかな戦略を立てる必要がある。どの国のどういう層を呼びたいかを考え、優先順位を決めた方がいい。ターゲットとなる国や層の人が旅行前と旅行中、帰国後にそれぞれどのインターネットメディアで情報収集したり、口コミを投稿したりしているかを踏まえ、対策を講じることも重要だ」


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2018年11月03日土曜日


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