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池の工事ぜんぶ躓く…直前まで知らされなかった住民反発、天童市が中止に

雨水調整池の工事計画が中止となった桝賀公園=山形県天童市北目2丁目

 豪雨による住宅地の冠水被害を防ぐため、山形県天童市が公園内で計画していた調整池建設工事が周辺住民の反対で中止になった。市は公園の管理を委託している町内会には3月に工事計画を説明していたが、公園に隣接する他の町内会には直前まで知らせなかったため、住民の不信感が増幅。市は「説明不足が原因で、住民の理解を得られなくなった」として事業を中止し、別の候補地を探すという。
 市が中止したのは、同市北目2丁目の桝賀(ますが)公園(2700平方メートル)に計画していた調整池建設工事。
 計画では、公園の約680平方メートルで屋根付きベンチや水飲み場を撤去し、深さ約5メートルまで掘削。雨水をたくわえるプラスチック製貯留材を埋設した後、防水シートやコンクリート板で覆い、表土をかぶせてベンチなどの施設を新設することになっていた。
 三つの雨水路が交差する公園近くでは2013年に大雨による冠水被害が発生したため、市は本年度当初予算で事業費2億4460万円を確保し、今年9月25日〜19年11月29日の工期で工事に入る予定だった。
 市は本年度予算が成立した3月、公園管理を委託する下北目町内会長に計画を説明したが、公園西側の一日町町内会長への説明は8月に入ってから。さらに一日町町内会の住民が計画を知ったのは、市による住民説明会のお知らせが回覧板で回った9月20日以降で、工事の直前だったという。
 市によると、こうした市の対応に不信を抱いた住民らは、市に対し「そもそも桝賀公園が最適地なのか」との疑問に加え、工期の長さや騒音・振動への不安を訴えたという。
 公園近くに住む無職男性は「下北目町内会と同時に説明があってしかるべきで、市の対応は信頼を損なうものだった」と批判。今年春、自宅を購入した会社員女性(38)は「子どものために公園近くの土地を選んだ。1年以上、公園を使えなくなるんだったら、別な土地を選んだかもしれない。撤回されたとはいえ、計画があったのなら、早く教えてほしかった」と言う。
 市建設課の伊藤芳春課長は「冠水対策としての必要性、低騒音・振動型の工法を採ることを説明すれば、いずれの町内の住民にも理解してもらえると思っていたが、甘かった」と釈明している。
 市は既に業者との契約を解除。早ければ市議会12月定例会に、本年度予算から事業費を削除する減額補正予算案を提出する。


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2018年11月03日土曜日


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