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縄文遺跡群の世界遺産推薦見送り 北東北にじむ落胆

縄文遺跡群を構成する三内丸山遺跡。大型掘立柱建物(左)や竪穴住居を見学できる=青森市

 政府が2日、2020年の世界自然遺産登録を目指す候補として「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄両県)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦することを決めたのを受け、推薦が見送られることとなった「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田各県)の地元関係者から落胆の声が相次いだ。
 縄文遺跡群は今年7月、国の文化審議会が世界文化遺産候補に選んでいた。
 三内丸山遺跡(青森市)でボランティアガイドなどの活動を続ける民間団体「三内丸山応援隊」の三浦進事務局長は「残念だ」と諦めきれない様子。ただ「奄美大島はいったん推薦が取り消された経緯がある」と今回の政府方針に理解を示す。
 三浦事務局長は「(世界遺産登録に向けた)レールには乗っていると思っている。準備期間が1年与えられたと前向きに捉えたい」と、来年度の推薦に向けて気持ちを切り替えた。
 構成資産の一つの御所野遺跡(岩手県一戸町)を屋外展示する御所野縄文博物館の高田和徳館長も「致命的な欠陥があったわけではない。次こそ選ばれることを期待したい」と話した。
 伊勢堂岱(いせどうたい)遺跡がある北秋田市の長岐孝生市教委生涯学習課長は7月以降、世界遺産選定への機運の高まりを感じていたという。それだけに「遺跡の価値が下がるわけではない。地元住民らと連帯を強化し、貴重な文化遺産の魅力を発信していく」と意気込んだ。
 弘前大の関根達人教授(考古学)は「準備期間を確保できたと考えれば落ち込む必要はない。構成する17遺跡の選定理由などを国際記念物遺跡会議(イコモス)に指摘される可能性があり、価値を磨き上げて出直せばよい」と話した。
 関係自治体でつくる縄文遺跡群世界遺産登録推進本部の本部長である三村申吾青森県知事は「4道県と関係市町の一層の連携の下、1年でも早い登録実現に向けて全力で取り組んでいく」との談話を出した。青森県は今後、文化庁などと協議して対応を検討していくという。


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2018年11月03日土曜日


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