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<線刻壁画>復興過程で出土し修復、2年5ヵ月経て一般公開 多彩な図柄「震災とともに語り継ぐ」

線刻壁画の多彩な図柄を熱心に見学する町民

 宮城県山元町の合戦原遺跡の横穴墓群で出土し、人や動物、葉など多彩な図柄で話題になった線刻壁画の移設作業が終了し、町歴史民俗資料館で3日、一般公開が始まった。修復のために運び出されてから約2年5カ月を経て公開され、町民から喜びの声が上がった。町教委によると線刻壁画の移設は全国初。
 新たに設けた展示室に、高さ約1.6メートル、幅約3.8メートルの線刻壁画がある横穴墓奥壁と、奥行き約3メートルの側壁を配置し、横穴墓の一部を復元した。
 壁画は2015年5月、東日本大震災復興事業に伴う発掘作業の過程で、7世紀後半〜8世紀前半の有力者の墓から発見された。16年5月、ブロック状に分割して運び出され、翌6月に修復のため京都市内に移された。ブロックは展示しやすいように厚さ約1センチまで削られ、接合された。
 国内で古墳の彩色壁画などがはぎ取られて展示されたことはあるが、水分が多く、砂など多様な土質の線刻壁画の移設は例がない。
 見学に訪れた同町の増沢淳郎さん(86)は「移設できるか心配だったが、大変貴重な物のため文化庁など関係機関が手をかけてくれたと思う」と喜んだ。斎藤俊夫町長は「復興の過程で見つかった壁画を、震災の記憶とともに語り継いでいきたい」と語った。
 資料館の入場料は一般300円(4日は無料)。連絡先は同館0223(37)0040。


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2018年11月04日日曜日


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