山形のニュース

<東北の本棚>身を自然に委ね祈りを

◎答えは自分の感じた中にある 星野文紘 著

 山形県の出羽三山(羽黒山、湯殿山、月山)を舞台に山伏修行50年を積み重ねた著者が、人生訓をつづる。いわく「身を自然に委ね祈りを」と−。
 1946年生まれの著者、羽黒山麓の鶴岡市手向(とうげ)地区で宿坊を営みながら修験道を実践する。白装束に地下足袋のいでたち。現在は各地から訪れる親子連れや女性グループら修験道志願者の案内をしている。
 本当の豊かさは、お金で手にできない。「懐深い自然こそ、生きる力をもたらしてくれる。人としてどう生きるか、考えるベースは自然の中にある」と言う。
 山伏になるには「秋の峰」と言って、秋に7日間、山に入って修行する。そうすると山伏名がもらえる。さらに山駆け、南蛮いぶし(部屋の中で唐辛子や薬草をいぶし、耐える修行)など難行苦行に挑んでいく。山伏は書き物を残さない。人から答えをもらわない。自然の中に飛び込み「自らが感じること」が答えだ。
 親子連れの志願者を見る。「学校が悪いだの何だのとクレームをつける親が多い。勝手すぎる。子を駄目にしているのは親」と切り捨てる。自らが大学受験に何度も失敗した。だからこそ「平々凡々の人生にならなかった。若者は壁にぶつかるべきだ」と説く。「失敗こそ人生の学びに」が体験で得た自らの教訓だ。
 家の光協会03(3266)9029=1512円。


2018年11月04日日曜日


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