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仙台藩最後の風景再び 鳥瞰図復刻版を仙台の出版社が発行 慶応4年の戦渦直前、桜の季節か

復刻版を手にする木村さん(右)と佐藤さん=仙台市宮城野区の風の時編集部

 仙台市宮城野区の出版社「風の時編集部」が、1868(慶応4、明治元)年に作られた絵図「明治元年現状仙台城市之図」の復刻版を製作、発行した。仙台藩時代の最後の仙台の様子を描いたとされる鳥瞰(ちょうかん)図で、市博物館(青葉区)で開催中の特別展「戊辰(ぼしん)戦争一五〇年」(12月9日まで)に合わせて企画した。

 散策に江戸時代の絵図の活用を図る「仙台まちあるき」シリーズの第3弾。第1、2弾は平面図だったが、今回は仙台城本丸から見下ろすような視点で描かれた風景画で、西の大崎八幡宮から東の薬師堂までの街並みや主要な建物の外観などを細かく描写している。
 大手門や本丸の東端にあった眺望用の懸造(かけづくり)、定禅寺通の名称の由来となった定禅寺など、現在は失われた建物の姿も描き込まれている。
 絵図は題に「明治元年」と記載されている。ただ、郷土史家で元仙台市史編さん室長の菅野正道さんは復刻版に寄せた解説で、新政府の奥羽鎮撫(ちんぶ)軍が仙台に入る慶応4年3月22日の直前に描かれた「仙台藩の歴史の最後の風景」と指摘する。
 仲ノ瀬橋たもとの為朝(ためとも)神社に祭礼(旧暦の3月15日)ののぼりが描かれ、榴岡(現宮城野区)などの赤褐色で色付けされている箇所は桜の花とみられるという。
 「仙台藩が戦渦に巻き込まれる直前の桜の季節、と聞くと絵図を見る目も変わる。広瀬川が幅広く描かれているなど強調したい部分が見え、写真とは違う面白さがある」と復刻版製作に関わった宮城学院女子大非常勤講師の木村浩二さん(66)。
 復刻版では、散策の際に位置を確認しやすいよう町名や建物名などが活字で添えられている。風の時編集部代表の佐藤正実さん(54)は「150年前と今を、現地で比べながら歩いてほしい」と語る。
 復刻版は縦36センチ、横103センチで800部製作。1620円。市博物館のミュージアムショップや市内の書店で販売している。連絡先は風の時編集部022(295)9568。


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2018年11月05日月曜日


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