宮城のニュース

在日米大使館・元首席公使 ジェームス・ズムワルト氏に聞く/日米、市民交流さらに深化を

ジェームス・ズムワルト カリフォルニア大バークレー校卒。1981年国務省入省。2008年7月に公使として在日大使館に赴任。国務省次官補代理(東アジア・太平洋担当)、セネガル兼ギニアビサウ大使などを経て、17年2月から笹川平和財団米国代表。カリフォルニア州生まれ、62歳。

 在日米国大使館の元首席公使ジェームス・ズムワルト氏が5日、仙台市で河北新報社のインタビューに応じた。現在の日米関係について「(主要先進国の中でも)安定している。日本政府の取り組みを評価したい」と強調。東日本大震災時に両国間の調整役を務めた経験を踏まえ、「市民レベルの交流をさらに深めることが重要だ」と述べた。
(聞き手は報道部・樋渡慎弥)

 −日本政府の対米政策をどう評価するか。
 「トランプ大統領は既存の秩序を壊し、混乱の中から新たな外交関係を生み出そうとしている。対中国、対ロシアなどで示す挑戦的な姿勢に懸念の声があるが、安倍晋三首相の就任前の渡米など、日米関係を評価する専門家は依然多い」
 −日米は2国間で新たな通商交渉に入る見通しだ。
 「高品質の日本の牛肉は米国で『ワギュウ』と呼ばれている。日本は品質の高い農水産物を生産できる。競争力はある。残念ながら環太平洋連携協定(TPP)から撤退した米国の再加入を促す上でも、戦略的に交渉を進めるべきだ」
 −朝鮮半島情勢への日本政府の今後の関わりは。
 「非核化の監視は科学的に難しい。原子力関係の技術者が多くいる日本は重要な役割を担うことになる。(元徴用工への損害賠償を認めた韓国最高裁判決は)日米韓の強い絆で北朝鮮に対峙(たいじ)しなければならないときに残念だが、未来志向の関係を求めたい」
 −在日米軍の再編をどうみるか。
 「台頭する中国に対して、沖縄は戦略的に重要だ。日米の安全保障を犠牲にしてまで、米軍を撤退するのはよくない。(現実的には)人口密集地から基地機能を移すことが、県民負担の軽減につながる」
 −震災の被災地に伝えたいことは。
 「震災時の日本や東北の社会は、その粘り強さを米国社会に強く示した。日米関係の強さは人と人との交流が根底にあり、市民レベルでの交流をさらに深めるべきだ。若い人には日本を飛び出して視野を広げてほしい」


関連ページ: 宮城 政治・行政

2018年11月06日火曜日


先頭に戻る