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青春の苦難と希望テーマに復興の物語 83年平工高球児の人生描く、いわき舞台の映画完成

軟式野球部のエースと女子マネジャーが練習中に言葉を交わすシーン

 平工高(福島県いわき市)の球児らの青春と、東日本大震災後の人生を描いた映画「それぞれのヒーローたち」が製作された。1983年の軟式野球全国大会で同高が準優勝した実話を軸に、苦難と希望をテーマにした復興の物語となっている。
 主人公は軟式野球部のエースと硬式野球部の内野手。エースは計4試合の736球を1人で投げきった。準決勝は延長25回で2日間にわたった。一方の内野手は同じ夏に甲子園を目指しながら、県大会準決勝で痛恨のエラーをした。
 元エースは東京電力社員となり、東電福島第1原発が立地する福島県双葉町の町議も務める。震災後の原発事故で町全域が避難区域となり、周囲の厳しい目にさらされる。元内野手は津波被害を受けたいわき市の高校の野球部監督として甲子園出場を果たす。
 原作とプロデューサーは、日本フルーツアートデザイナー協会(東京)の代表を務める高梨由美さん(50)。準優勝時に軟式野球部マネジャーだった。
 震災後、「高校時代のヒーローだった」という2人に再会し、映画化を決意した。作中では高梨さんをモデルにしたヒロインが、映画実現に向けて寄付の協力などを呼び掛けて奔走する姿も描かれる。
 ある女子大学生が「好きな人ができても福島県出身と言いにくい」と語ったエピソードに心を動かされたという高梨さん。「子どもたちに夢や憧れ、勇気の種をまきたい。大人には昔の自分を思い出して奮起するきっかけにしてほしい」と願う。
 上映時間は約60分。主演は西村和彦さんら。ロケ地はいわき市で、市民ら約250人も出演した。JRいわき駅前の映画館「まちポレいわき」で24〜30日に無料上映される。上映会の企画を募集中。連絡先は高梨さん090(4704)2766。


2018年11月07日水曜日


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