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<カイゼン>気仙沼マグロ漁に導入 漁を効率化、船員の確保図る

中間発表会で投網の作業軽減化について説明する検討会のメンバー

 宮城県気仙沼市の漁業関係者が、無駄を省くトヨタ自動車の生産管理手法「カイゼン」をマグロはえ縄漁の現場に導入し、漁の効率化を図ろうとしている。漁師の高齢化が進む中、新たな船員の確保と定着にはマグロ船の働き方改革が不可欠と判断。トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)の協力で、冷凍室内の重労働や投網作業を軽減化する具体的な作業案を取りまとめた。
 宮城県北部鰹鮪漁業組合や気仙沼遠洋漁業協同組合(ともに気仙沼市)に所属する船主計17社などが、昨年6月に「まぐろ延縄(はえなわ)漁業生産性向上カイゼン検討会」を設立。乗組員へのアンケートや勉強会を重ね、作業効率化を研究してきた。
 トヨタ東日本や元漁師の意見も参考に(1)冷凍室内の作業軽減(2)投網の改善(3)在庫の管理見直し−の三つに絞り改善策を検討。具体策を固め、気仙沼市役所で10月29日、トヨタ東日本の白根武史社長や漁業関係者らを招いた中間発表会を開いた。
 冷凍室内では冷凍マグロの表面が傷つかないよう、マグロを再凍結する作業の負担軽減を狙う。水が入ったタンクにマグロを出し入れする作業を円滑にするため、タンクの縁に滑り台のような金属板を敷いてマグロを運びやすくした。
 6人で約6時間かかる投網作業を5人に減らす人員配置を提案し、船に積んだ食料を探しやすくするリスト作りの方法も示した。
 気仙沼港を基地とする遠洋、近海漁船の所有会社でつくる県北部船主協会(気仙沼市)は東日本大震災後に新規乗組員100人以上を受け入れたが、離職率は6割近い。定着率の向上が課題となっている。
 検討会の会長で県北部鰹鮪漁業組合の亀谷寿朗組合長は「時代に応じた労働時間や肉体への負担を考えなければ定着率は改善されない」と強調する。
 検討会は実際に操業するマグロ船でも試行し、来年3月に最終報告をまとめる。白根社長は「過去の経験を伝えるだけではなく、作業に改善を加え、効率化を図るというサイクルを確立してほしい」と話した。


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2018年11月09日金曜日


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