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<震災7年8ヵ月>石巻の仮設住宅で9月に2人自殺か ともに1人暮らし

災害公営住宅に転居した女性が亡くなっていた仮設住宅の集会所

 東日本大震災で被災した石巻市のプレハブ仮設住宅の敷地内で9月、2人が相次いで死亡していたことが9日分かった。市によると、いずれも遺書は確認されていないが自殺とみられる。1人は災害公営住宅に転居していた女性(70)で、以前住んでいた仮設住宅近くの集会所で亡くなった。もう1人は仮設住宅に入居していた男性(56)で、新居の完成を間近に控えていた。

 市によると、女性は9月19日午前8時15分ごろ、集会所の玄関前で首をつった状態で発見された。女性は2016年6月ごろ、集会所近くの仮設住宅から災害公営住宅に転居した。引っ越し後も、仮設住宅に度々顔を出していた。
 災害公営住宅に転居時は孫と2人で住んでいたが、今年1月ごろに孫が自宅を離れ、1人暮らしになった。3月に市社会福祉協議会の地域生活支援員が訪問した際は暮らしや体調面の変化から不安や寂しさを感じている様子だったが、6月の訪問では「変わりない」とのやりとりがあったという。
 男性は9月29日午前3時15分ごろ、仮設住宅で首をつった状態で発見された。男性は母親(90)と2人で暮らしていたが、今年7月に母親が死亡した。市内に平屋の新居を建設中で、10月には仮設住宅を出る予定だった。
 男性は「将来の生活費が足りるだろうか」などとして新居売却も考え、市などに相談していたという。1人の生活に不安を感じていたとみられる。
 市内の仮設住宅入居者で、市が自殺と判断したケースは男性で3人目。13年5月に20代男性、14年10月に50代女性がそれぞれ死亡した。仮設住宅を退去し、生活再建を果たした後に仮設住宅で亡くなった事例は初めてという。
 市生活再建支援課の担当者は「2人とも現場の状況などから自殺とみられ、非常に残念。訪問支援員が何か様子がおかしいと気付いたときに、保健師や専門機関につなげる対応を徹底したい」と話す。


2018年11月10日土曜日


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