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<河北工芸展>初の10代入賞者誕生 被災床柱を木箱に活用

仙台市教育委員会賞を受賞した「<漣>再生槐復興祈願箱」
樋田さん(手前右)の解説に耳を傾けながら、作品を鑑賞する来場者

 第27回河北工芸展(河北新報社、河北文化事業団、宮城県文化振興財団主催、特別協賛日本航空)で、初めて10代の入賞者が誕生した。宮城県聴覚支援学校産業工芸科1年の山田龍さん(19)=仙台市太白区=が初出品で仙台市教育委員会賞に選ばれ、これまで21歳だった最年少記録を塗り替えた。山田さんは「楽しんで作ることができた。とてもうれしい」と喜びを語った。
 受賞作の「<漣(れん)>再生槐(えんじゅ)復興祈願箱」は、東日本大震災の被災家屋から出た床柱を活用した飾り箱。縦に細かく刻まれた溝が生み出す波のような木目の美しさや、外箱と中箱を隙間無く合わせた技術力が、審査員に高く評価された。
 岡本剛毅教諭(56)に今年4月、河北展への応募を持ち掛けられた。同科は被災住宅の住民から寄せられた建築材を多数保有しており、その中から「幸運を呼ぶ木」のエンジュを素材に選択。週1回、3時間の授業を制作に当てた。
 木肌に溝を刻むと、断面から木目が現れた。幾筋も連ねると、さざ波のような不思議な模様が浮かび上がり「この模様を木箱の化粧板にしよう」と思い付いた。
 美しい波を生み出すため、工作機械の刃の角度をミリ単位で調整し、約2カ月かけて彫り上げた。各部を組み上げて磨きを施し、全体が完成したのは、作品搬入日直前の9月末だった。
 岡本教諭は「気の遠くなるような緻密な作業を、根気強く集中してやりきった」とたたえる。
 山田さんは「被災した木材が箱に生まれ変わったように、復興に向かって元気に進んでほしい、という思いを込めた」と話す。将来は自動車関連企業への就職を目指しており「木工は好き。趣味として一生続けてたい」と言う。

◎作品の魅力、技法解説 仙台・あすまで

 第27回河北工芸展(河北新報社、河北文化事業団、県文化振興財団主催、特別協賛日本航空)の作品解説会が9日、会場の仙台市宮城野区の「TFUギャラリーMini Mori」で始まった。
 同展招待作家の樋田隆さん(陶磁)=東松島市=が陶磁の入賞作品を中心に、作品の優れた点や技法を紹介。「難しい器の口の部分の造形を、苦心して作り上げている」「粘土を削り、別の粘土をはめ込んでいる。根気の要る仕事だ」「若々しい力を感じる」などと説明しながら、来場者と一緒に会場を回った。
 10日は顧問の沓沢則雄さん(漆)=湯沢市=、11日は参与の平沢富子さん(染織)=泉区=が担当する。両日とも午後2時から。
 同展は12日まで。午前10時〜午後5時半。最終日は午後5時まで。入場料は一般・大学生700円、高校生以下無料。


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2018年11月10日土曜日


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