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<健康経営>元気な従業員が企業価値高める 宮城・女川で実践広がる

健康経営に取り組む「みなとまちセラミカ工房」。昼食を食べながら日々の食事や運動について話すことも多い

 従業員の健康づくりを経営の視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」が宮城県女川町の企業に広がっている。東日本大震災で大規模被災した町は人口減に伴う人手不足が懸念され、既存の労働力維持と生産性の向上を図る狙いがある。取り組みを通じ、町内全体の健康増進、地域経済活性化といった相乗効果を目指す。

 町内で復興支援活動をしているロート製薬とNPO法人アスヘノキボウ(女川町)、町の3者が連携して展開する「女川健康プロジェクト」の企業版として本年度、本格始動した。
 企業に対し健康関連の研修の開催や体重計、血圧計の貸し出しなどを実施。健康経営に積極的な企業の表彰制度も設け、本年度は4社が表彰を受けた。
 このうち食品製造、弁当販売などを手掛ける「御前屋(おんまえや)」は、昼食時に従業員同士が食事内容などをチェックし合い意識を高めている。阿部哲也総務部長(36)は「従業員が健康管理を実践することで、食を扱うプロとしての説得力が増す」と経営への波及効果を期待する。
 スペインタイル製作「みなとまちセラミカ工房」は従業員7人が、減量やウオーキングの目標を立てて職場で達成状況を共有している。従業員の山田たか子さん(58)は「同僚が頑張る姿を見ると私も頑張ろうと思う」と意欲的だ。
 4社は、全国健康保険協会(協会けんぽ)県支部が実施している「職場健康づくり宣言」制度の認定を受けた。各社員にはローン商品の金利優遇などを受けられる特典もある。
 プロジェクトリーダーでロート製薬社員の阿部真さん(32)は「労働力の確保が難しい中、従業員が倒れると会社経営にも多大な影響が出る。子育て世代でもある働き盛りの人々にアプローチすることで、子どもの健康状態の改善にもつながる」と説明する。
 県がまとめた調査によると、県内のメタボリック症候群該当者と予備軍の割合は2015年で計29.3%と全国で3番目に高い。中でも女川町を含む石巻圏域の該当者の割合は男性が県内ワースト1位、女性が同2位だった。
 プロジェクトは16年、3者が地域ぐるみで健康増進を目指そうと連携協定を締結。行政区や職場でチームをつくり、健康に関する目標達成度を競い合う「健康100日プロジェクト」などを展開している。

[健康経営]従業員の健康が将来的に業績や企業価値を高めるという考えに基づき、健康管理を戦略的に実践する取り組み。経済産業省は2014年度から「健康経営銘柄」の選定、16年度からは健康経営優良法人認定制度を導入し、認定企業が社会的評価を受けられる環境整備を進めている。


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2018年11月11日日曜日


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