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<高校生のシゴト力>LED使い野菜栽培/福島工高 新しい農業の形模索

これまで製作した照射装置を前に、新しい装置のアイデアを話し合う福島工高の生徒=10月26日、福島市

 福島市の福島工高(松本明倫校長、生徒829人)は、発光ダイオード(LED)照明を使った野菜栽培の研究に取り組んでいる。研究は今年で2年目。「どんな光が成長にとって有効なのか」と、昨年よりも最適な成長につながるよう知恵を絞り、研究でタッグを組む同市の福島明成高へ引き渡す準備を進めている。

 福島工高の生徒がLED製造工場の福島サンケン(二本松市)の協力を受けてLED照射装置を製作、福島明成高に引き渡し、同校生徒が装置を使用して野菜を栽培する。それぞれの専門分野を生かし、天候に左右されない野菜の安定栽培と販売を目指している。

<操作性も工夫>
 1年目はレタスやミニトマトなどを栽培。観察して分かったのは、光の強さのほかにも光の色(波長)が植物の成長に影響を与えるということ。レタスの苗を赤と青の2種類の光源で照らし、その生育状況を調べると、赤い光を当てた方が葉の面積が大きくなり、青い光を当てると茎が伸びた。人の目で感じる光と植物の成長に必要な光は異なるため、光量計で測る必要があると学んだことも研究の成果だ。
 10月26日、福島工高の教室では本年度、研究課題を引き継いだ電気科3年生の高橋亮さん(18)、菅野雅稀さん(18)、中村健太さん(17)、佐藤龍幸さん(18)、佐藤成悟さん(18)の5人が作業の真っ最中。前回足りなかった光源を強くしようと、基盤にLEDを一つ一つはんだ付けしていた。
 ビーズのような小さなLEDをはんだ付けする作業は、精密機械を仕上げるような繊細さが求められる。「全部で720個を分担して付けます。作業しやすいピンセットも買いました」と11月中に引き渡すことを目標に、作業が急ピッチで進む。
 プログラムを担当した菅野さんはLEDの波長をあらかじめ数パターン設定し、ボタンで切り替えられるようにした。「赤を強くする必要がある時に簡単に切り替えられるようになった」とアイデアを出し合い、使い手の操作性も考えた。

<再生エネでも>
 LEDを使った野菜栽培や土を使わない水耕栽培は、新しい農業の形として注目される。半導体製造工場の一部で低カリウムレタスを栽培する企業、季節を問わず効率的なメロン栽培に取り組む企業など県内でも広がりを見せている。
 班長の高橋さんは「太陽光など再生可能エネルギーを使う方法も考えた」と研究のさらなる構想を披露。「菜種油など、ほかにも用途が広がる菜の花やジャガイモなども栽培できたら」との意見も出たという。未来を設計する生徒たちの探求心は尽きない。
(福島民友新聞社報道部・坂本龍之)

[東北・新潟8新聞社共同企画]
河北新報社、東奥日報社、岩手日報社、秋田魁新報社、山形新聞社、福島民報社、福島民友新聞社、新潟日報社


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2018年11月11日日曜日


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