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<金華山ごみ投棄>「イメージ低下」地元関係者ら観光への影響懸念

 東北三大霊場として知られる信仰の島が、不法投棄されたごみに侵されていた。宮城県石巻市の金華山黄金山神社の宮司ら3人が廃棄物処理法違反の疑いで逮捕された12日、地元には衝撃と動揺が広がった。東日本大震災からの観光復興の要となる場所で起きた不祥事に、関係者は「イメージダウンが心配」と不安を募らせる。
 同市鮎川浜で民宿を経営する熱海孝広さん(38)は「不法投棄には気が付かなかった」と驚く。夏は金華山への参拝客が宿泊客の約8割を占め、「客足が遠のくと経営が厳しくなる」と浮かない表情だった。
 金華山は青森県の恐山、山形県の出羽三山と並ぶ三大霊場に数えられ「3年続けて参拝すると、お金に一生困らない」との言い伝えがある。市牡鹿総合支所地域振興課の及川伸悦課長は「荘厳な金華山のイメージと真逆の事件。参拝へのイメージは悪い」と危惧する。
 市によると、昨年の金華山観光客の入り込み数は1万5482人。震災後の2012年(2435人)から回復傾向にあるものの、定期船減便などの影響もあり、10年(5万6929人)の3割に満たない。
 観光再生の起爆剤として期待されるのが、金華山航路発着地の鮎川浜に来秋オープンする復興拠点だ。観光物産交流施設や「おしかホエールランド」など3施設が10月に着工された。
 「来年のオープンに向けて事業者が頑張っている大事な時期。多くの人が訪れる年末年始の参拝や神事は予定通り行えるのだろうか」。牡鹿漁協職員の伊藤登さん(53)は先行きを懸念する。
 部屋から金華山を一望できるホテルを経営する遠藤秀喜さん(61)は観光物産交流施設への出店を予定する。「よその地域に比べて鮎川の復興は遅れている。金華山のイメージが落ちないように努力したい」と力なく語った。
 市民からも厳しい声が上がった。この日金華山を訪れた石巻市の無職女性(74)は「私たちだって分別してごみを出しているのに、なぜできないのか」と首をかしげる。鮎川港でニュースを知った同市の主婦(66)は「神職をしている人がやってはいけないこと」とあきれた表情で語った。


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2018年11月13日火曜日


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