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ポスト復興誰に任せる?岩手の2市長選、同じ構図と課題

握手を交わす戸田氏(左)と戸羽氏=9月8日、大船渡市

 任期満了に伴う岩手県大船渡市長選は18日の告示まで5日となった。年が明けて1月27日には隣接する陸前高田市でも市長選が告示される。両市長選とも、初当選以降の全任期を東日本大震災からの復興に費やしてきた現職に、政治・行政経験の豊かな新人が挑む構図が有力だ。ともに「ポスト復興」施策が争点になる。
 9月8日、3選を目指す大船渡市長戸田公明氏(69)の後援会事務所開きに陸前高田市長戸羽太氏(53)が駆け付けた。
 「戸田さんは同志。共通課題について相談しながら今日まで来た。10年間の復興計画のうち7年半がたった。ここで変えるのはあり得ない」とエールを送る戸羽氏。3日後には、自身も3選立候補を表明した。

<就任直後に被災>
 戸田氏は2010年11月、戸羽氏は翌11年2月にそれぞれ初当選、市長に就任した。その直後に震災が発生。甚大な被害を受けた両市のトップとして、市民生活の立て直しを陣頭で指揮してきた。
 被災自治体の首長選挙で現職の落選が相次ぐ中でも、両市の有権者は市政の継続を選択した。両現職の2期目が終わろうとしている現時点で、予定していた災害公営住宅は全て完成。造成した中心部では店舗や事業所の再建が進んでいる。
 戸田氏は「復興事業が収束するこれからが正念場だ。(地域水準を)震災前より高いところに軟着陸させ、次の世代につないでいかなければならない」と意欲を語る。
 復興の完遂を訴える現職に対し、大船渡市長選が元参院議員の藤原良信氏(67)、陸前高田市長選は元岩手県企画理事の紺野由夫氏(59)が対立候補として名乗りを上げる。
 藤原氏は「内陸部とアクセスする高規格道路整備で、宮古や釜石に後れを取っている」と批判し、紺野氏は「再建した公共施設などの維持管理費がかかるのに、目立った産業がない」と懸念する。
 両新人とも過去の経歴で培ってきた国や県とのパイプを前面に、ポスト復興の財源確保や政策推進を訴える。

<財政状況いびつ>
 大船渡、陸前高田両市の被災と財政の状況は表の通り。人口流出が加速しているにもかかわらず、復興特需で市民税収入が増加するといういびつな財政状況が続く。
 大船渡市が実施した市民意識調査では「商店街に活気を感じない」との回答が69.1%に上った。陸前高田市の市民満足度調査でも「魅力ある雇用の創出と起業しやすい環境の整備」について不満足層が満足層を上回った。
 「次の市長は、いっそう難しいかじ取りを迫られる」というのが両市長選の各陣営に共通した見方だ。


2018年11月13日火曜日


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