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<仙台市自転車条例>周知への道のり険しく…保険加入やヘルメット着用、低い認知度

通勤・通学時間帯に多くの自転車が行き交う仙台市中心部。条例の認知度は低く、市は啓発に力を入れる=7日午前8時20分ごろ、青葉区の勾当台公園付近

 仙台市が、10月5日に制定した市自転車の安全利用に関する条例の周知に力を入れている。自転車損害賠償保険や共済(自転車保険)への加入義務付け、ヘルメット着用の努力義務を盛り込んだが、認知度はまだ低い。来年1月の施行に向け、学校や販売店などを巻き込んだ取り組みが求められそうだ。

 条例制定から約1カ月たった今月7日朝。市中心部では通勤、通学を急ぐ自転車がひっきりなしに行き交った。ヘルメットをかぶった利用者はほとんどおらず、イヤホンで音楽を聞きながら走る人もいた。
 街頭啓発に立つ市職員や地元の交通安全協会のメンバーらがチラシを配り、自転車保険の加入などを呼び掛けたが、利用者の反応はいまひとつだった。
 「生命保険の特約で加入していたと思うが、確認しないと分からない」
 自転車で通勤する泉区の男性会社員(45)は、自らの保険加入の有無を把握していなかった。レンタサイクルを利用した青葉区の女性会社員(40)は「自転車はたまに乗る程度。保険に入っていないし、入る予定もない」と答えた。
 自転車保険は、自転車利用者が未成年でも被保険者とし、保護者が加入しなければならない。市によると、市民の自転車保険加入率は昨年10月現在、4〜6割とみられる。
 市教委は学校を通じた周知に力を入れる方針だ。
 8月に行った調査で、市立小中学校184校中、保険加入を指導しているのは約4割にとどまった。今後、学校長宛ての文書やPTA協議会などを通じ、保護者への働き掛けを強める。
 ヘルメット着用などの努力義務に違反した場合の罰則規定はなく、販売店や学校の協力が着用率向上の鍵となりそうだ。
 自転車やバイクなどを扱う早坂サイクル商会(青葉区)では、小中学生以外にヘルメットを購入する客はあまりいないという。
 早坂武社長(47)は「大人用にデザインを充実させる必要がある。メーカーからヘルメットのカタログを取り寄せたい」と話す。
 生徒の約7割が自転車で通学する若林区の県立高では、ヘルメットを着用する生徒はほぼいない。学校は「外見や髪形を気にする年頃で、着用に抵抗感を示す生徒もいる。安全を守るため、条例に対応した指導を検討する」と語る。

[仙台市自転車の安全利用に関する条例]来年1月1日施行する(自転車保険加入は来年4月1日)。全利用者に自転車保険加入を義務付け、自転車に乗る未成年者の保護者も加入の対象とした。ヘルメット着用に加え、自転車の定期的な点検・整備、歩道での押し歩きをするよう努力義務を課した。利用者のほか、学校長に安全利用の教育を、自転車小売業者には利用者に対する保険加入の有無の確認などの責務を明記した。


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2018年11月14日水曜日


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