宮城のニュース

<仙台市給食栄養不足>消費税増税を加味せず 13年の引き上げ時、予算圧迫の一因に

 仙台市立小中学校の給食が「栄養不足」に陥っている問題で、市教委が2013年に給食費を現在の金額へ引き上げた際、翌14年の消費税8%への増税を加味しなかったことが13日、分かった。食材価格の高騰だけでなく、増税の影響も副食の予算を圧迫しており、栄養の摂取基準を満たす給食が提供できない一因になっている。

 仙台市立小中学校の給食費の推移はグラフの通り。1990年代は89年の消費税導入(3%)や食材価格を考慮し、断続的に引き上げた。97年に消費税が5%に増税されると、給食費も99年に値上げした。
 市教委によると、現在の給食費は小学校が245円(旧宮城、秋保町は239円)、中学校が290円(同285円)。2012年5月の学校給食運営審議会の答申を踏まえ、同年6月の教育委員会で決定し、13年4月に引き上げた。
 消費税を8%へ再増税する法律は民主党政権時代の12年8月に成立したが、同年12月の衆院選を経て政権が交代。安倍晋三首相は13年10月になり、8%への増税を14年4月に実施すると正式に表明した。
 市教委健康教育課の担当者は「現在の給食費を決めた当時は、増税が確実に実施されるかどうか不透明な情勢だった。まずは増税を加味せずに値上げし、状況を見ながら対応を考えることになった」と説明する。
 だが、影響はすぐ顕著になった。13年の値上げで確保した小学校17.9円、中学校19.4円の副食予算の増加分は、増税で主食や牛乳の価格が上昇し、翌14年には小学校で6.6円、中学校で7.3円も目減りした。値上げ効果は1年で約4割縮小し、食材価格の高騰が追い打ちを掛けた。
 再値上げの必要性は給食運営審で何度も議論されたが、「使う食材の工夫で対応可能として、結果的に据え置きの答申が続いた」(健康教育課)という。
 市教委は栄養不足の現状を踏まえ、20年4月以降の値上げを目指す。安倍首相は今年10月、消費税10%への再々増税を19年10月に実施すると表明しており、今回は増税の影響も加味し、適正な給食費を算出する。
 健康教育課の西崎文雄課長は「食材は軽減税率が適用されるようだが、増税に伴う輸送費などの上昇が、価格に上乗せされる可能性もある。前回と同じ轍(てつ)を踏まないよう増税の影響を慎重に見極めたい」と話す。

[仙台市学校給食の「栄養不足」問題]仙台市立小中学校の給食の栄養量が2018年10月の調査で、国や市が定める摂取基準を満たしていなかったことが判明した。主な栄養素10項目のうち小学校は鉄(充足率70%)、食物繊維(80%)など5項目、中学校はビタミンB1、ビタミンC(各86%)など9項目で基準を下回った。食材価格が高騰し、栄養量を確保するだけの食材が手に入らないことが主な要因。


関連ページ: 宮城 社会

2018年11月14日水曜日


先頭に戻る