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<週刊せんだい>仙台のここがすごい(3)四季折々の景色楽しむ 催し多彩、気付き多く

毎週日曜日に行われるガイドウオーク
太白山の模型や植物の展示が見られる自然観察センター
<かの・かずみ>1973年仙台市生まれ。2007年の開局以来、「ひなた」の名前でパーソナリティーを務め、現在は制作業務も担当している。

 仙台市各区の魅力的なスポットや取り組みを、地元に寄り添う市民ライターの視点、若々しい学生記者の視点から紹介します。

◎太白区太白山自然観察の森

 「この木の実はね、手で触ると飛ぶんだよ」。レンジャーの説明を聞きながら、約20人の老若男女の一団が森の中を散歩していきます。「オオムラサキの幼虫の写真が撮れました」。参加者の1人が珍しい昆虫を見つけると、足を止めてちょっとおしゃべり。静寂に包まれた自然の中で、楽しいひとときが過ぎていきます。
 ここは太白区茂庭の仙台市太白山自然観察の森。自然保護教育を推進する国の事業で市が整備し、太白山(321メートル)のふもとに、1991年にオープンしました。国内に10カ所ある自然観察の森の中で、最も北にあります。
 約30ヘクタールの森の中では、700種類ほどの植物が見られ、カモシカやリス、イノシシ、タヌキといった野生動物が生息しています。毎週日曜には、4人いるレンジャーが案内役となり、約1時間半かけて森の中を巡るガイドウオークを行っています。敷地内にある自然観察センターには動植物の標本が展示され、自然観察情報を提供しています。
 森の景色は季節によって様変わり。カタクリやスミレの咲く春にはルリタテハやテングチョウが優雅に舞い、カブトムシなどの見られる夏はヤマボウシやリョウブの白い花が見頃を迎えます。秋は紅葉が美しく、冬場も野鳥の生態や雪上に残る獣の足跡などの観察を楽しめます。四季折々の自然に合わせ、春先には朝の野鳥観察会、夏には夜の森探検など、ガイドウオークの他にも多くのイベントが用意されています。
 「普段見慣れている木々や昆虫、獣にスポットライトを当てることで、新たな発見や気付きを得ることができるのではないでしょうか」とレンジャーの斎正宏さん(55)。名称通り観察目的の施設のため、敷地内で植物や昆虫を採集することは禁じられています。
 入場無料で、イベントの参加費も基本的には無料です。親子連れや小学生、シニア世代を中心に毎年約2万人が利用しています。斎さんは「市中心部から車で20〜30分とアクセスがいいのですが、市民でも知らない方が多いので、ぜひ一度足を運んでください」と笑顔でアピールしていました。

<取材を終えて/東北大4年・斎田涼裕(あつひろ)さん> 太白区に住み始めて4年ですが、こんなに豊かな自然があることを知りませんでした。勉強や研究に疲れた時に、ふと歩きたい場所です。

◎この区のここが好き/都会と田舎併せ持つ/エフエムたいはくパーソナリティー 鹿野和美さん(45)

 太白区は都会と田舎が共存しており、人と人との間に程よい距離感があるのがいいところだと感じています。最近はスウェーデン家具大手の「イケア仙台」など、おしゃれな店がいっぱいできてきているのも自慢したいポイントですね。
 エフエムたいはくは、地域密着型のコミュニティーFMで、長町商店街にスタジオがあります。よく近所の人が「ちょっと前を通ったから」と、声を掛けてくれるんです。気さくで温かい人が多く、住みやすい地域だなと実感します。
 リスナーは50〜60代の人が多く、パーソナリティーも半分以上は地元の人です。地域の自慢話などが中心の番組もあり、自分たちの暮らす地域に誇りを持っているのだなと感じます。
 今年で30回目を迎えた区民まつりや、動物公園、ベニーランド、市民センターで多彩なイベントを開く「八木山フェスタ」には、若者からお年寄りまで、住民の積極的な参加が目立ちます。普段はあまり関わりのない世代が協力し合い、楽しく活動している姿が印象的です。
 JR長町駅周辺や多くの車が行き来する国道286号などはにぎやかですが、表通りから1本奥に入ると、意外なほど静かです。個人的には、沿道に昔ながらの店が立つ旧286号(市道鹿野人来田線)の趣が好きです。
 他にも、発展の著しいあすと長町地区、秋保温泉など魅力は尽きないですね。これからも地域の皆さんと一緒に、太白区を盛り上げていきます。

<取材を終えて/東北芸術工科大3年・菊池みなとさん> 東日本大震災後、ソフト面での復興を見ていると、太白区の地域力に感心します。住民同士が進んで交流を持つ姿勢を見習いたいです。

<太白区データ>商業施設の多い長町地区、動物園や遊園地などのある八木山地区、仙台の「奥座敷」といわれる秋保温泉地区など、さまざまな表情を持つ、市南西部の区。
 JR長町駅東側の「あすと長町」地区は、マンションや商業施設などの集積が進む。2014年には市立病院も移転し、日に日ににぎわいを増している。
 15年に開通した市地下鉄東西線の西のターミナル八木山動物公園駅は、日本一標高の高い地下鉄駅として知られる。18年4月1日現在の人口は22万8074。面積は228.39平方キロ。


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2018年11月15日木曜日


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