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<ILC>日本学術会議、誘致に慎重「合意形成が不足」 文科省への回答案公表

 岩手、宮城両県にまたがる北上山地が建設候補地の超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の誘致に関し、日本学術会議の検討委員会は14日、文部科学省の審議要請に対する回答案を公表した。「学術界の合意形成が不足し、技術面や経済面の波及効果も限定的だ」と計画推進に慎重な姿勢をにじませた。近く最終回答を決め、年内にも文科省に提出する。
 検討委が構想推進に向け障壁が解消されていないとの見解を示したことで、政府の誘致判断にどのような影響を与えるかが今後の焦点となる。
 加速器全長を31キロから20キロに短縮する新計画案についての回答案で、検討委は(1)研究課題は重要だが、素粒子物理学の他の研究課題と比べ優先性があるかどうかは合意形成されていない(2)経済的、技術的波及効果が限定的(3)国際的な経費分担や人材確保の見通しが不明−と指摘した。
 日本が欧米各国との国際共同研究を主導する是非に関しても「経費の相当部分を負担すべきかどうかは、持続可能性などを勘案して判断すべきだ」とした。
 総事業費は7355億〜8033億円と試算される。建設工事や完成後の環境影響などについては、候補地住民への的確な情報提供も求めた。
 家泰弘委員長は終了後、「誘致を判断する立場にはないが、学術界全体で応援しないと国民に負担をお願いするのは難しいのではないか」と述べた。
 検討委は21日の会合で最終的な回答を決定。12月19日に開催予定の学術会議幹事会に諮った上で文科省に提出する。


2018年11月15日木曜日


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