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仙台市給食の栄養不足 食材の高騰で工夫限界に

[おかざき・ひろこ]1972年、大崎市生まれ。仙台市市名坂小勤務などを経て、2014年から高砂小栄養教諭。18年から市小学校教育研究会学校給食研究部会の栄養教諭・学校栄養職員部会長を務める。

◎仙台市学校給食運営審委員・栄養教諭 岡崎博子氏に聞く

 仙台市立小中学校の給食が、食材価格の高騰などで「栄養不足」に陥っている。育ち盛りの児童生徒の成長に欠かせない給食の現場で、何が起きているのか。市学校給食運営審議会の委員で、高砂小栄養教諭の岡崎博子氏に現状を聞いた。(聞き手は報道部・長谷美龍蔵、熊谷優海香)

 −給食の「栄養不足」が続いている。
 「私たち栄養教諭、栄養職員の怠慢が原因では決してない。現場は日々、児童生徒のことを考え、基準を満たすよう一生懸命に工夫し、努力している。それでも達成できていない現状を理解していただきたい」
 −食材価格の高騰はどのように影響しているか。
 「仙台の給食費は2013年に現在の金額に引き上げられたが、余裕が出たわけではなかった。14年の消費税8%への増税がとても大きく、『基本的な食事』の見本となる献立がちょっと難しくなった。リンゴを4分の1カットから6分の1にし、魚の切り身を60グラムから50グラムに変えるなど工夫を重ねてきた」
 「ただ昨年からの異常気象や自然災害で、あまり価格が高騰しないニンジンやタマネギ、ジャガイモまで値上がりした。ジャガイモのないカレーや肉じゃがは出せない。価格が高くても使わざるを得ず、さらに厳しくなった面がある」
 「肉や魚の高騰も影響が大きい。宮城県産ギンザケ『みやぎサーモン』も使ってPRしたいが、とてもできない。安かったサバも値上がりし、切り身で出すことが難しくなっている。工夫も限界に近づいている」
 −小中学校とも「鉄」の栄養充足率が低い。
 「鉄や食物繊維は日本人の摂取量がそもそも少なく、給食の摂取基準が高く設定されている。鉄はレバーやアサリ、小松菜などで取れる。食物繊維はイモや大豆など。子どもが苦手とする食材もあり、献立を工夫しながら取り入れている」
 「鉄分入り乳製品など強化食品を使えば基準を満たせると思われがちだが、可能な限り自然の食材から摂取することが大事ではないか。強化食品にサプリメントのイメージを持たれると、嫌いな食べ物の栄養はサプリで取ればいいと思われる。1日3食、しっかり食べることの重要性を教えたい」
 −学校給食の役割をどう考えるか。
 「栄養量の問題がクローズアップされているが、給食には多様な食材を使うとか、食べ残しを少なくするとか考慮すべきことは他にもある。いろいろな食べ物、料理に触れられるところが学校給食の魅力だろう。給食を楽しみに登校する児童生徒は多く、栄養量の確保はもちろん、食事が楽しいと思ってもらえるような献立を作りたい」


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2018年11月16日金曜日


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