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宮城の食材さらに輝く 仙台の中華シェフ、料理マスターズに県内初選出

料理マスターズに県内で初めて選ばれた黒森さん

 地元食材の活用や食文化の発展に貢献した料理人をたたえる農林水産省の「料理マスターズ」に、仙台市太白区向山2丁目の中華料理店「楽・食・健・美−KUROMORI」のオーナーシェフ黒森洋司さん(42)が県内で初めて選ばれた。

 東日本大震災直後に市内に移り住み、フカヒレやアワビなど沿岸被災地の海産物を中心に県産食材を使った料理を提供。食材の魅力と価値を引き出し、生産者の思いを料理で伝える取り組みが評価された。
 料理マスターズは農水省が2010年度に創設し、毎年8人前後が選ばれる。これまでに全国で57人が受賞し、東北では宮城を除く5県の料理人が選出されている。本年度は黒森さんら8人が新たに加わった。
 黒森さんは神奈川県藤沢市出身。北海道で育ち、高校卒業後、料理の道を志して上京。広東料理、点心を学び、首都圏の有名店で腕を磨いてきた。
 震災が転機となった。「中華の料理人として復興を手伝えないか」。震災発生から約半年後の11年10月に仙台に移住。同11月に中華料理店を開き、14年に現在の店をオープンした。
 時間を見つけては、食材を求めて宮城、東北の産地を歩く。フカヒレやアワビ、干しナマコといった中華の高級食材のほか、農畜産物や調味料も県内産が中心だ。「宮城は中華の食材の宝庫。産地に出向くと、料理へのイメージも高まる」と話す。
 店は完全予約制で、カウンター7席とテーブル席が一つ。食材の持つうま味を引き出し、優しい味わいの料理が評判を集め、店は常に満席。客の6、7割は県外から訪れる。
 大切にしているのは生産者とのつながりだ。「震災は悪いことばかりではなかった。おまえと会えた」。石巻市のカキ生産者にかけられた一言が忘れられないという。
 「生産者に支えられた。自分だけで取れた賞ではない」と語り、「料理を通して宮城の食材を国内外に発信し、消費拡大につなげたい」と意気込んだ。


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2018年11月16日金曜日


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