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<杜の都のチャレン人>絵を通じ人と人連結 鉄道復興を支援する「描き鉄」

年に5回以上、各地で展示会を続けている鈴木さん(左)と小松さん=仙台市内

◎イラストを描いて鉄道の復興を支援する 鈴木典宏さん(42)

 東日本大震災の後、被災地を走る列車や昔懐かしい駅舎などを描いたイラスト展を、宮城県内外で精力的に開いている。「鉄道には人や街を結び付けて絆を強くする力があると感じる。イラストを通じて東北や鉄道の魅力を発信し、人々を元気にして、復興を支援したい」
 7Bの軟らかい鉛筆で、モチーフをリアルに描く。アクリル絵の具で優しく彩色した作品は、シンプルだが温かみを感じさせる。
 2011年7月、宮城県亘理町の会社員小松大希(だいき)さん(33)と「描(か)き鉄集団ロコ」の活動を開始した。小松さんはコンピューターの設計ソフトを駆使した現代的な作風。対照的だが、好きな鉄道を絵で盛り上げたいという熱意は共通している。
 鉄道に乗るのが好きな「乗り鉄」、写真に収めるのが好きな「撮り鉄」など、さまざまな鉄道ファンがいるが、「描き鉄」はあまり聞かない。「少数派でしょう。しかし、写真が残っていない古い鉄道も、絵で描けば再現できます。とても自由の利く表現方法だと思います」と自負する。
 幼い頃から電車を見るのが大好きだった。高校3年の時、美術の授業で透視図法などの技法を学んだのを機に、鉄道の絵を本格的に描き始めた。以来、年に5〜10作品をコンスタントに描き続ける。
 古い車両や駅舎が好き。「大学生の頃、4年をかけてれんが造りの東京駅を描きました。昭和40年代の仙石線の車両を描いた時は、自身が当時にタイムスリップしたような感覚に陥りました」。思い入れのある作品の話は尽きない。
 ロコの活動は、福島市を走る福島交通の車両外装デザインを小松さんが手掛けるなど、展示会以外にも広がっている。「今後も駅名標や駅構内のデザインなど、ロコとしてできる部分をお手伝いして、人をつなぐ役に立っていきたい」と意欲も尽きない。(也)

[すずき・のりひろ]1976年千葉県市原市生まれ。東北学院大工学部卒業後、宮城県職員。描き鉄集団ロコ主宰。仙台市青葉区在住。団体名は機関車を示す英語「ロコモティブ」から。12月上旬、青葉区の青葉通地下道ギャラリーに作品を展示する。


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2018年11月17日土曜日


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