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全国どこにでも行きます!漆増産へ発想を大転換 岩手でプロジェクト始動、生産量4倍目指す

衝撃波で漆の木を破砕する機械

 全国どこでもうかがいます−。最新の移動式機械を現地に運び込んで漆を採取しようという試みが、漆の生産量日本一の岩手県で始まる。地道な植樹と漆かき職人の育成で生産量の増加を目指す従来の発想を大転換した。一気に国産漆の生産4倍増を目指す。

 「ウルシネクスト・プロジェクト」は、盛岡市で漆器販売を手掛ける「浄法寺漆産業」社長の松沢卓生さん(46)らが一般社団法人「次世代漆協会」を設立して取り組む。
 松沢さんらは、沖縄高専(沖縄県名護市)が開発した衝撃波で漆の木を破砕して樹液を抽出する技術に着目した。機械をトラックに積み、漆の木を求めて各地に出向く。
 手始めに、プロジェクトのメンバーが所有する盛岡市内の山林など9ヘクタールに来年から数年がかりで漆の苗木約4万5000本を植える計画だ。耕作放棄地などを活用し、県内外で漆畑の拡大を図る。
 漆が採れるようになるまで、一般には苗木から育てて10年を要するとされる。破砕・抽出方式なら5、6年の若木でも採取が可能。伐採後も根元を残せば、再び若木が生えてくる。
 職人が1本の木から1年間に採取できる漆は約200グラム。破砕・抽出方式では1本当たり約100グラムにとどまるが、広範囲、短時間の作業となるため、採取総量は飛躍的に増えるという。
 国産漆は生産量が年間1.4トンで、うち岩手が7割を占める。希少な上に国宝などの修復に使用が義務付けられた結果、価格が高騰。中国産も経済発展を背景に生産量が減って価格は上昇傾向にある。
 漆は現在、1キロ当たりで国産が約5万2000円、中国産が約1万円で取引されている。プロジェクトは、10年以内に収量4.5トンを目指している。
 松沢さんは「国産と中国産の間の価格帯で販売し、漆の供給増に貢献したい」と意気込む。


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2018年11月17日土曜日


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