福島のニュース

<福島・適マーク交付問題>負荷試験 書類上「○」でも未実施か

福島県内のホテルが提出した点検報告書。「負荷運転」の欄に「○」印があるが、実際は未実施だった

 非常用自家発電設備の負荷試験を実施していない宿泊施設に、福島県内の消防本部が防火基準を満たしたことを示す全国統一の「適マーク」を交付していた問題で、消防が試験済みと判断した施設についても、実際は行われていない例があることが16日、施設側への取材で分かった。法定の試験をせずに適マークを受けた例は、判明済みの8施設より多いことになる。
 施設側はいずれも適マーク申請時、実施を示す虚偽とも受け取れる書類を提出していた。申請書類に基づく適マークの交付方法と消防の審査の在り方が問われそうだ。
 県内のある消防本部管内で適マークを交付された2施設は河北新報社の取材に、ともに負荷試験を実施していないことを認めた。施設側は「(試験方法の一つで必要な)全館停電が難しい」「やるとしても来年になる」などと説明した。
 ともに防火基準を満たして4年以上を示す金色のマークを掲げる。一方の施設の担当者は「試験が必要だと承知している」と答えた上で、建築基準法改正で県内では防火扉の定期点検の初回報告が来年5月までに必要になった点を挙げ「試験を含めると多額の費用がかかる」と頭を抱えた。
 隣接する消防本部管内でも、適マークを受けたホテルが「実際のところ、今まではやっていなかった」と明らかにし、「今後は実施する」と釈明した。
 いずれの消防本部も取材に「適マークを受けた管内の施設は負荷試験を行っている」と説明し、未実施の事実を把握していなかった。実施と判断した根拠として、施設側が提出した申請書類の点検結果の確認欄に「良」や「○」と記されていたことなどを挙げた。
 発電設備の負荷試験を含む消防用設備の点検結果を巡っては、県内12消防本部による県消防長会が今年1月、各消防署が報告を受け付ける際に内容を確かめるよう通知したが、踏み込んだチェックはほとんどされていないのが実態だ。
 設備の点検は施設の依頼を受けて専門業者が担当している。総務省消防庁予防課の担当者は「性悪説で行政が逐一確認しようとすれば、民間業者に点検を任せている意味がなくなる。報道などで未実施が発覚した施設に厳正に対処するのが現実的だろう」と話す。
 福島県内では非常用自家発電設備を備える旅館やホテルのうち41施設が適マークの交付を受けている。


関連ページ: 福島 政治・行政

2018年11月17日土曜日


先頭に戻る