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東北少年院で学習支援 宮教大院生ら指導、高認合格が更生の糧に

教壇に立つ菊地さん。明るい雰囲気の中で授業が進む=10月31日、東北少年院

 宮城教育大の大学院生が東北少年院(仙台市若林区)で、少年たちの高等学校卒業程度認定試験(高認)に向けた学習を支援している。同少年院は本年度から高認指導の強化に乗り出しており、教育を専門に学ぶ大学院生の手を借りて合格率アップを目指す。

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 東北少年院内の学習室で10月31日、英文を読んでいた少年たちが同大大学院2年の菊地諒子さん(24)に質問を投げ掛けた。英語の中学校教員免許を持つ菊地さんがヒントを出し、正答した少年は「当たった!」と笑顔を見せた。
 授業は同少年院が本年度に導入した高認重点指導実施コースの一環。高認に合格すれば少年院を出た後の就職や資格取得に生かすことができ、非行や再犯の防止、社会復帰に有効だとして法務省が2015年度、全国の少年院向けにコースを設置した。
 東北少年院では17年度まで職員が学習指導をしてきたが、コース導入に伴い、教員養成で実績のある宮城教育大に指導を委ねた。入院中の少年48人のうち、国語、数学、英語の3教科で延べ19人が受講している。
 5月から3人の同大大学院生が指導に当たる。授業は各教科とも週1回、各50分。習熟度別に2クラスを受け持つ菊地さんは「最初は『she』と『he』の違いから教える必要のあった少年が、長文読解を解けるまでになった」と喜ぶ。
 数年分の過去問題を自習で解いてくる少年もいたという。「彼らは学びに飢えていたのかも。授業を一生懸命に受ける姿勢がうれしい」と菊地さんは話す。
 受講する少年の一人は「英語はゼロからのスタート。菊地先生の授業は質問しやすい雰囲気でよかった」と語る。
 8月の高認で、英語の合格率は100%、数学も昨年比約20ポイント増の83%と、効果はすぐに表れた。同少年院は12月、来年度の受験予定者向けの基礎講座も新規開設する。早坂昇次長は「少年らの将来の選択肢を広げるためにも、合格者を増やしたい」と意気込む。


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2018年11月18日日曜日


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