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<18年産米>4年連続値上がり 中食業界は外国産頼みも

 国による生産調整(減反)の廃止元年となる2018年産の新米が、高値で取引されている。出来秋の出荷業者と卸売業者の相対取引価格は、4年連続で前年同月比値上がりの出足となった。おにぎり、弁当などを生産する中食業界には逆境となり、外国産米の使用も辞さない考えを示す。卸関係者は、高値の背景には平年並みとされる作柄には表れない逼迫(ひっぱく)感があると指摘する。(東京支社・小木曽崇)

 18年産米の相対取引価格は新米が初めて出回り始めた9月、全銘柄平均で玄米60キロ当たり1万5763円と前年同月比1.5%上昇でスタートした。10月も1.3%高い1万5707円となった。
 「消費者への価格転嫁は困難。既に米価は受諾できる限度をはるかに超えている」と苦しい状況を訴えるのは、中食、外食産業向けに米飯を提供する業界団体・日本炊飯協会の福田耕作顧問。「高値が続く場合、中食ではあまり使用されていない外国産米に頼らざるを得ない。安くて質も上がっている」と明かす。
 農林水産省が10月末に公表した18年産米の作柄概況(10月15日現在)によると、全国の作況指数(平年=100)は99で「平年並み」だった。しかし、集荷に奔走する卸関係者からは疑問の声が上がる。
 コメ卸の業界団体・全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)の厨秀俊常務は「8月までは需給が緩み、価格は下がると思っていた。出来秋以降、状況が変わった。産地からコメが出て来ない。売り物になる大粒のコメが少ないとも聞く」と取引関係者の相場観を代弁する。
 東北の減反廃止初年度の作付面積は山形が前年と同じとなった以外、他の5県全てで1〜2%拡大。コメどころ新潟でも2%増えたが、国内最大産地の北海道は長雨による日照不足で作況指数90の「不良」となった。
 厨氏は「北海道に次ぐ産地の新潟、秋田で作付面積を増やさなかったら、もっと生産量が減っていた。北海道の不作を面積拡大で打ち消した形」と分析する。
 売り場にも変化が出始めている。みやぎ生協は16日現在、宮城県産ひとめぼれ5キロの価格を前年同期より100円高い2080円に設定する。
 仕入れを担うコープ東北サンネット事業連合の担当者は「事前契約で量は確保したつもりだが、今後さらに作柄が悪くなったら安心できない。必要数量を調達するのが最大の問題だ」と見通せない先行きに気をもんでいる。


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2018年11月18日日曜日


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