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ブックカバー、大声反応紙相撲…岩手の高校生が考えた商品続々 企業も若い発想に期待

岩谷堂高の生徒がデザインしたブックカバー
水沢工高の生徒が開発した「大声トントン紙相撲」

 岩手県内の高校生に、地元企業と連携して市場調査や商品開発、さらには経営にまで乗り出そうという動きが広まっている。高校生たちは実用的な知識や技術を身に付け、企業側は若者の柔軟な発想に期待。地域活性化の有力な担い手へと育ちつつある。

 老舗書店東山堂(盛岡市)の県内全7店舗に11月、新デザインのブックカバーが登場した。本年度で創立100周年を迎えた岩谷堂高(奥州市)の3年生4人による卒業研究の一環だ。
 カバーにはセーラー服を描き「校舎までの坂道は夏でも冬でもつらい」と「岩谷堂高あるある」を書き添え、カバーデザインへの評価などについてアンケートを実施した。
 東山堂外商部は「高校生の感性があふれる今までにないデザイン。読書離れが進む若い世代が店に足を運ぶきっかけにもなる」と歓迎する。
 水沢工高(奥州市)の無線・情報部は、音声に反応して土俵が振動する「大声トントン紙相撲」を製作した。マイクに向かって声を発すると、土俵の下に仕込んだスピーカーが反応して振動する仕組みだ。
 発注したのは地元の高齢者福祉施設「デイサービスどんぐり」。高齢者がゲームを楽しみながら喉を鍛えることで、食べ物などが誤って気管に入って起こる誤嚥(ごえん)性肺炎を予防できるという。
 施設長の菊地智之さん(42)は「地元高校生の優れた技術が生かせたらと思って製作を依頼した。高齢者と若者が交流するという想定外の効果もあった」と振り返る。
 数年前から地元企業と共同でプライベートブランドの開発に取り組んでいるのは宮古商高(宮古市)だ。今年は市内のカレー店と提携して宮古産のイカ、ホタテを使ったレトルトの「宮商カレー」を製造、販売している。
 利益を出すための仕入れ交渉や価格設定も生徒たちの役割だ。3年の中村久乃さん(18)は「経費を考えながら、お客さまに買ってもらえる価格にしなければならない。商品開発の厳しさを学んだ」と言う。
 岩手県立大の桑田但馬准教授(地域経済学)は「リアルな地域産業と向き合うことで就職の幅も広がる」と話す。「物語性のある商品は価格が高くても売れる」と分析し、高校生たちが巻き起こす地域経済の循環に期待を寄せた。


関連ページ: 岩手 経済

2018年11月19日月曜日


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