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<99.9>人気ドラマの小道具で復興後押し アフロなこけしとホヤぼーや、ネット上で反響

ドラマのセットに使用したアフロなこけしとホヤぼーやを手にする高橋さん。「今後も被災地発のアイテムに注目したい」と語る
今年3月11日の放送に登場したポスター。メニューの頭文字を左から読むと「東北も九州台湾世界中近い未来に笑えるように」とのメッセージが浮かぶ

 今春、全国放送された人気テレビドラマのセットに東日本大震災の被災地ゆかりの小道具が登場し、ツイッター上で話題を呼んだ。起用されたのは石巻市で製作されたアフロヘアの人形「アフロなこけし」と気仙沼市の観光キャラクター「ホヤぼーや」。石巻市出身のドラマの美術担当者が仕掛けた一風変わった復興支援が、古里を盛り上げた。

<セットで存在感>
 ドラマは人気男性アイドルグループのメンバーが弁護士役で主演した「99.9−刑事専門弁護士」。1作目は2016年春、2作目は今年1〜3月の日曜午後9時に放送され、最終話の視聴率は20%を超えた。
 小道具は、主人公が居候する居酒屋の店内セットの一部。店長の髪形を含めてアフロずくめという設定で、アフロなこけしが登場。ホヤぼーやも随所に映り、存在感を放った。
 仕掛け人は、美術関係の責任者を務めたフリーの美術制作、高橋達也さん(45)=東京都=。木村ひさし監督をはじめ、カメラマンらスタッフが協力した。
 こけしは、石巻市のこけし作家林貴俊さん(44)が製作した。高橋さんが同市桃生町の実家に帰省した際に林さんを知り、アイデアを伝えて発注した。
 異色のこけしは放送終了後から評判となった。林さんが5月に工房で発売すると、ドラマの視聴者を中心に160個以上が売れた。

<木村監督ら協力>
 震災当時、高橋さんは北海道でドラマのロケ中だった。石巻の惨状を目にして仕事をなげうって帰郷。約1年間、親戚宅の泥出しやがれき除去に携わった。
 復帰後初めて担当したのが、木村監督の別のドラマだった。木村監督は気仙沼市でロケ経験があり、被災地への思い入れが強かった。カメラマンがホヤぼーやのグッズを持っていたことから、小道具を使った被災地支援が始動。今回のドラマにつながった。
 高橋さんは「小道具を使った『小ネタ』は以前からやっていたが、映されないこともあった。今回は目立つよう撮ってくれた木村監督やカメラマンの存在が大きい」と感謝する。

<ポスターで激励>
 震災7年の今年3月11日。ドラマの放送日が重なり、高橋さんは「何かをしないではいられない」と新たな仕掛けを試みた。
 セットの居酒屋に「開店7周年」のポスターを掲示。「つかれたら休んでまた頑張ろう」とうたった。縦書きで書かれたメニュー21品の頭文字をつなぐと東北や熊本地震があった九州、大地震に見舞われた台湾を激励する言葉が表れる。
 ツイッターでは視聴者から「感動した」というつぶやきが次々と投稿された。
 高橋さんは月命日の11日に更新するブログで被災地への思いをつづる。「これ見よがしに被災地のことを言いたいわけではない。ドラマを見て気付いた人が、自然と被災地を考えてくれたらいい」と話した。


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2018年11月22日木曜日


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