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主婦や離職者の就労後押し 秋田の子育て情報誌発行会社の介護教室が人気

16日に秋田市であった実務者研修には、介護施設に勤務した経験のある4人の女性が参加した

 子育て情報誌の発行を手掛ける有限会社次元(秋田市)の介護教室が人気を集めている。母親たちと培ってきたつながりを生かし、出産や子育てで会社勤めなどから離れる主婦らと、人手不足に悩む介護の現場を引き合わせる取り組みを展開。希望する就労条件を基に受け入れ施設に業務態勢の見直しを提案するなど、子育て中の女性が活躍できる場の創出に力を入れる。

 次元は、育児情報をまとめた隔月発行のフリーペーパー「mamafami(ママファミ)」などを秋田県内で計約6万部発行している。育児サークル向けの住宅見学ツアーなどを通して、顔の見えるつながりも築いている。
 介護教室の開講は2011年。読者の母親たちから就労に関する悩みの声が多く寄せられたことがきっかけだった。家事と介護の就労訓練が両立できる環境づくりを始めた。
 初任者と実務者が対象の2コースを用意し、社会福祉士や看護師の資格所有者が講師を務める。初任者は自宅などのパソコンで基礎的な介護知識を学び、約2週間の実習を経て最短約1カ月で資格取得が可能だ。過去には妊婦らも参加。体調に合わせて受講できる。
 17年度は両コースに計約300人が参加。初任者研修を終えた約160人のうち約7割が県内の介護施設などに就職した。「日常生活の中で無理なく勉強できる」と好評だ。
 秋田県では2025年までに3000人以上の介護人材が不足すると予測されている。高齢化などで介護施設の需要が高まる中、施設側は給料を上げるなどして人材確保に躍起だ。
 次元の代表取締役の平塚大一さんは、育児中の母親は週5日勤務が難しかったり、夜勤に入れなかったりして、就労を断念するケースが多いと指摘する。「介護に限らず、人が来ない理由は給料だけの問題ではない」と言う。
 そうした問題意識から、次元は保育園の出迎えや家事の時間を踏まえ、一人一人が希望する就労形態を網羅したリストを作成。これを基に、施設側には業務時間の短縮や複数従業員による分業などを提案し、柔軟な態勢の構築を促している。
 来年度は家事代行を柱とした訪問介護事業を始め、女性の潜在的な労働力のさらなる掘り起こしを進める予定だ。平塚さんは「無理せず働ける場なら人材定着も進む。地域人材の活躍を後押ししたい」と意気込む。


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2018年11月22日木曜日


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