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<不登校>別室登校、心と扉開く 仙台市の相談員3人が支援

クリスマスを前に教室に飾る工作を試作する(右から)森谷さん、佐藤さん、田畑さん

 不登校の児童生徒の数が全国的に高い水準にある仙台市で、学校生活になじめない子どもたちを支援する相談員制度が始まって7カ月がたった。相談員は3人。「別室登校」する子どもたちが不登校にならないよう、学校に週1、2回出向き、勉強をサポートしたり、話し相手になったりする。少しずつ子どもたちの苦手意識を減らし、学級への復帰を後押ししている。(報道部・田柳暁)

 「調子はどう?」
 「今日は何か学校の行事があるかな?」
 11月上旬、市内のある中学校。学校になじめず、自分のクラスとは別の教室に通う子どもに、相談員の森谷範子さん(53)が優しく声を掛けた。常に返事の仕方や表情に気を配り、浮かない顔の子どもは意識して会話を重ねる。
 森谷さんは「相談員は家族でも先生でもないので、子どもは話しやすい。悩みなどを無理やり聞かず、安心して話せる雰囲気づくりを心掛けている」と話す。
 相談員は森谷さん、田畑みなみさん(30)、佐藤杏奈さん(26)=いずれも仙台市=の3人。本年度、派遣要請があった小学1校、中学7校に交代で赴き、午前10時〜午後2時に別室登校する計約40人と向き合う。
 別室登校の教室は複数の子どもが通うことが多く、通常は授業時間ごとに教諭が交代で担当。休み時間は不在になりがちだったが、相談員の配置で継続した見守りが可能になった。
 学びやに親しめる工夫も重ねる。表に漢字、裏に読みを書いたカードを使ってゲーム感覚で漢字を覚えたり、季節にちなんだ工作を教室に飾ったりして、学校への苦手意識を和らげる。
 不登校の児童生徒を支える市適応指導センター(泉区)によると、学習の不安、同級生や教諭との関係、集団生活が苦手などの理由で、教室や学校になじめない子どもが多いという。
 市教委がまとめた市立小中学校の不登校児童生徒の推移はグラフの通り。年々増加し、2017年度は過去最多の1569人を記録した。全20政令市別の児童生徒1000人当たりの不登校は大阪、相模原に次ぐ高水準だった。
 相談員の活動だけが要因ではないが、成果の兆しが見え始めた。休みがちだった子どもの登校回数が増えたり、学校にいる時間が延びたりしているという。
 田畑さんは「心を開いて話す時間が長くなるとうれしい」と手応えを語る。佐藤さんは「別室登校をしながらでも、意欲的に勉強や創作をして前向きな大人に育ってほしい」と話した。


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2018年11月23日金曜日


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