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<村井知事4期目1年>首長・県議アンケート 手腕を9割が評価

宮城県企業局が開いたみやぎ型管理運営方式の施設見学会と特別養護老人ホームを視察する村井知事(右上)、新たに整備された仙台空港の旅客搭乗棟(左下)のコラージュ

 4期目就任から21日で1年を迎えた村井嘉浩宮城県知事の県政運営について、河北新報社が県内35市町村長と58県議を対象に実施したアンケートで、知事の手腕を評価した回答は約9割に達した。4期目に注力する政策として「子育て・教育」を期待する声が最も多かった。

 村井知事の県政運営について、88.2%が「評価する」と回答した。このうち、首長の全員が知事の手腕を肯定的に受け止めた。
 評価する理由は「公約実現に努力している」が26.2%で最も多かった。以降は「情報発信力が強い」(22.0%)「明るい人柄」(12.2%)「県議会(市町村)との関係が良好」(11.6%)などだった。
 「評価しない」との回答は11.8%で、理由には「施策に偏りがある」「政治姿勢が強硬」などが挙がった。「慢心の姿勢を感じる」(野党県議)といった指摘もあった。

◎創造的復興 空港民営化好感

 村井知事が推進している東日本大震災からの創造的復興について、「進んでいる」と評価したのは86.0%に上った。首長に限ると97.2%に達した。
 評価する理由は「仙台空港の完全民営化」が32.1%で最も多かった。「産業振興策の推進」(15.4%)「大学医学部の新設」(14.8%)「道路や防潮堤などの基盤整備」(13.6%)が続いた。
 創造的復興が「進んでいない」との回答は12.9%。評価しない理由には「心のケアなどソフト対策が不足」「1次産業の復興が足踏み」などが挙がった。

◎力を入れてほしい政策 子育て・教育が最多

 村井知事が4期目に力を入れてほしい政策を複数回答で尋ねたところ、「子育て・教育」が25.5%で最多だった。小中学生の学力低迷や全国ワースト級のいじめ、不登校問題は一向に改善の兆しが見えず、喫緊の県政課題となっている。
 「子育て・教育」を挙げたのは、首長が30.9%、県議が22.9%で、ともにトップだった。続いて「医療・福祉」(20.2%)「1次産業振興」(18.3%)が挙がった。
 首長の2位以降は「医療・福祉」(26.5%)「1次産業振興」(19.1%)「企業誘致」(8.8%)など。県議は「1次産業振興」(17.9%)「医療・福祉」(17.1%)「震災復興・防災」(12.1%)が上位を占めた。

◎水道事業一体化 懸念根強く

 県内の広域上水道と工業用水、流域下水道の3事業の運営を一括して民間に委ねる県の「みやぎ型管理運営方式」について、72.1%が「評価する」と回答した。「評価しない」は25.8%だった。
 首長は「評価する」が80.0%、「評価しない」が14.3%。県議は「評価する」が67.3%、「評価しない」が32.8%で、首長に比べ差は開かなかった。
 同方式は人口減少に伴う需要減を見据え、民間ノウハウを活用したコスト削減や規模拡大による運営効率化を目指す。導入の前提となる水道法改正の動向は不透明だが、村井知事は「一丁目一番地の政策」と位置付け、準備を進めている。
 公共性の高い水道事業への民間参入を懸念する声は根強く、記述回答で「『県民の水』を企業利潤の対象にするものだ」(野党県議)などの意見もあった。

◎仙台空港24時間化 賛成が8割

 村井知事が実現に意欲を見せる仙台空港の24時間運用について、82.8%が「評価する」と答えた。「評価しない」は16.1%にとどまった。
 首長は88.6%、県議は79.3%がそれぞれ「評価する」と回答。県は仙台空港の運用時間延長により、新規路線の就航や増便につなげたい考えで、交流人口拡大や観光振興、産業集積を期待する首長や県議の支持を集めたようだ。
 一方、「評価しない」と答えたのは首長が11.4%で、県議は19.0%だった。深夜帯の騒音への懸念は根強く、地元振興策の内容も明らかでないことなどが背景にあるとみられる。
 県は8月下旬、空港が立地する名取、岩沼両市で地域住民らへの説明を始めた。今後、知事と両市長、仙台国際空港社長による4者協議会を設置し、24時間化の前提として国が求めている地元合意の在り方や騒音対策などを話し合う。

◎大川小津波訴訟対応 県議は賛否拮抗

 東日本大震災の津波で児童と教職員計84人が犠牲となった石巻市大川小を巡る損害賠償請求訴訟で、上告した村井知事の対応について、全体の60.2%が「評価する」と答えた。「評価しない」は35.5%だった。
 このうち、首長は80.0%が「評価する」と回答。一方、県議は「評価する」と「評価しない」が48.3%ずつで、拮抗(きっこう)した。無回答が3.4%あった。
 大川小津波訴訟で、仙台高裁は4月、市と県に約14億3610万円の支払いを命じた。市と県は判決を不服として上告した。

◎記述回答から

 調査の方法 対象は宮城県議58人と県内の35市町村長。10月中旬〜11月中旬、アンケート用紙を配布し、面談や記入で回答を得た。回答率は100%。

◆政策を評価できる理由
・企業誘致が雇用創出に直結し、経済の好循環が生まれている(県南部の首長)
・仙台空港民営化などインバウンド対応、観光PRを精力的にこなしている(県北部の首長)
・東日本大震災前からの産業構造改革と震災後の復興事業を両にらみで取り組んでいる(与党県議)
◆政策を評価できない理由
・国の財源を活用した支出はあるが自腹は切っていない。自治体のリクエストに対応が限定的(沿岸部の首長)
・農業生産額は伸び悩み、子どもの学力、体力も低迷している(与党県議)
・医師、看護師不足、医療機関の地域偏在、少人数学級、部活動手当などの取り組みが悪い(野党県議)
◆知事への要望・注文
・リーダーシップとも強引とも取れる場面が散見される。市町村の声を丁寧に拾い、県政を引っ張ってほしい(仙台圏の首長)
・長期政権の弊害が随所に見られ、執行権の行使が強すぎる(与党県議)


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2018年11月23日金曜日


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