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クラフト専用ビアサーバー東北にも普及 キリンが開発、200店導入

東北の飲食店でも増えているタップ・マルシェ

 キリンビールが開発したクラフトビール専用サーバー「タップ・マルシェ」が東北でも普及している。3月に無償貸与が始まり、既に飲食店約200店が導入した。同社は、縮小するビール市場に反比例して伸長するクラフトビール市場をさらに広げることで、全体の消費を押し上げたい考え。クラフトビールの消費拡大に、国産ホップの約98%を栽培する東北の生産者も期待を寄せる。
 最少サイズでも容量7リットルのアルミ製のたるが必要だった従来のサーバーに比べ、タップ・マルシェは3リットルのペットボトルが使われ、軽量で小型化された。ペットボトルは炭酸が抜けやすくビールには不向きだったが、同社は特殊フィルムで包み、炭酸が抜けるのを抑えることに成功した。
 注ぎ口は四つで、キリンを含む全国のクラフトビール7醸造所の19銘柄から4種類を選ぶことができる。飲食店は仕入れ先を開拓する必要がなく、無償貸与で設備費用もかからないため、急速に普及した。
 9月に導入した仙台市青葉区の飲食店「グラディオ」の伊藤大地店長(27)は「手軽にクラフトビールを扱えるようになり、うれしい。お客さまのグループ1組につき必ず1杯の注文を受ける。多様な銘柄を選ぶ楽しみがあるようだ」と語る。
 キリンビールは2017年4月、首都圏にタップ・マルシェを投入。今年3月には東北を含む全国で展開した。9月現在、全国で約5000店が採用している。導入目標数は年内に全国7000店、東北300店。10月には仙台のホテルで飲食店主ら向けのPRイベントを催すなど、普及に力を入れている。
 既存商品との差別化を図るため、クラフトビールに貴重な国産ホップを使う醸造所が増えている。19銘柄の中には遠野産ホップを使ったキリン子会社醸造所のビール「ホップフェスタ2018」があり、同市のホップ農家の40代男性は「消費が増えて国産ホップの知名度が上がれば栽培量も増える」と喜ぶ。
 国内のビール類出荷量は昨年まで13年連続で過去最低を更新する一方、若者や女性に人気が高いクラフトビールは拡大が続く。キリンビールの推計によると、クラフトビールの17年販売量はビール市場全体の0.7%程度だが、21年には3%に伸びるとみられる。
 東北統括本部の吉田雅人営業企画部長は「クラフトビールは一つ一つの風味が全く違う。『取りあえずビール』ではなく一杯ごとに楽しみ、ビールの素晴らしさを満喫できる」と話す。


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2018年11月23日金曜日


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