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伊達政宗の息遣い今に伝える 仙台の俳人・杉村顕道さんが収集の18点、遺族が市博物館へ寄贈

近衛信尹の手紙(手前)などを寄贈する小野寺さん(右)と杉村翠さん

 宮城県芸術協会の初代理事長を務めた仙台市の俳人・小説家の杉村顕道さん(1904〜99年)が集めた仙台藩祖伊達政宗の手紙や絵画など藩制時代の資料18点を、杉村さんの遺族が市博物館(青葉区)に寄贈することになった。仙台藩とゆかりの深い武将や画家らが残した品々で、往時の交友関係や文化風俗を今に伝える。同館は一般公開に向け、資料を詳しく調査する。

 手紙は6点で、いずれも表装されている。1点は政宗が豊臣秀吉の側近浅野長政の家臣に宛てたもので、市博物館が2017年に政宗の自筆と鑑定した。
 2代将軍徳川秀忠が山形左馬助という人物に書いた手紙は「武蔵守」の署名から、秀忠がごく若い頃に書いたとみられる。当時武将が熱中した鷹(たか)狩り用の鷹を贈られたことを率直に喜んでいる。
 書をはじめ文化全般に通じ、政宗とも親交が深い京の公家近衛信尹(のぶただ)による3点も。1点は豊臣秀頼の右筆(ゆうひつ)(書記)で後に政宗の家臣となった和久半左衛門宛て、2点は秀吉に仕えた片桐且元、貞隆兄弟宛てだ。
 政宗の手紙に詳しい元市博物館長の佐藤憲一さん(69)は「いずれも政宗に関わりのある人物。直接仙台に触れていなくても、その時代のさまざまな情報を読み取ることができ、興味深い」と評する。
 絵画など12点には、現在の陸前高田市出身の蠣崎縉斎(かきざきしんさい)による「富嶽昇龍図」や仙台四大画家の一人、東東洋(あずまとうよう)と東莱(とうらい)父子の「鶴亀図」といった見応えのある水墨画が含まれている。
 杉村さんは仙台市名誉市民で洋画家の故杉村惇さんの兄で、文人墨客の直筆文書のコレクションを数多く持っていた。
 寄贈は、杉村さんの長女小野寺栄さん(78)=青葉区=と次女の杉村翠さん(74)=東京都=が申し出た。それぞれ父に贈られ大切に保管してきたが「たくさんの人に見てもらい、役立てられるのなら父も喜ぶはず」と口をそろえる。
 内山淳一館長は「常設展のほかテーマが合えば、企画展でもお披露目したい。さまざまに活用でき、ありがたい」と感謝する。


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2018年11月24日土曜日


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